マー君 ダル年俸の2倍以上のワケ カブスを“利用”し条件つり上げた?

[ 2014年1月24日 08:08 ]

リラックスムードで練習する田中

 大リーグ球団の評価で田中の比較対照となったのがダルビッシュ。ある大リーグ球団のスカウトは「投手としての能力はダルビッシュの方が上」と話す。しかし、両者の平均年俸を比較すると、ダルビッシュの1000万ドル(約10億4000万円)に対し、田中は2214万ドル(約23億300万円)と2倍以上だ。

 ヤ軍のキャッシュマンGMは「今回は情報が全く漏れてこない難しい交渉だった。新しいポスティング・システムは明らかに選手側が有利な立場にある」と振り返った。旧制度では、独占交渉権さえ獲得すれば、競争相手はいないので球団側も強気に出ることができる。しかし、新制度では「見えない相手」とも戦わなければならなかった。

 最後まで競り合ったのは、カブスと言われている。4年連続勝率5割以下という低迷から脱却するために早い段階からマネーゲームも辞さない構えだった。果たして、田中の選択肢の中でカブスはそこまで高かったのか。実際「カブスは利用されているのでは」との話も伝わっていた。しかし、これも代理人の交渉戦術。それを可能にしたのがほぼFAと同じと言っていい、新制度だった。

 田中側は4年後にFAになれる「オプトアウト」という特記条項も勝ち取った。これに関しても代理人のクロース氏は「他球団は認めているぞ」とヤ軍に迫ったという。情報が漏れないように徹底管理し、カブスを最後まで候補に残すことで、ヤ軍の条件をつり上げたと見るのが自然だ。

 追い風は他にもあった。ヤ軍は昨季プレーオフ進出を逃していなければ、ここまでの投資はしなかっただろう。そして、薬物規定違反によるロドリゲスの全試合出場停止処分。これにより、ヤ軍は2213万ドルが浮いた。田中の平均年俸は2214万ドル。これは決して偶然ではない。

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2014年1月24日のニュース