星野監督 マー君敗戦秘話明かした「田中の負けは忘れよう」

[ 2013年12月4日 05:30 ]

シーズンを振り返る楽天・星野監督

 楽天の星野仙一監督(66)が3日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見を行い、巨人と激闘を繰り広げた日本シリーズの秘話を明かした。日本一に王手をかけて臨んだ第6戦(Kスタ宮城)。エース田中でまさかの敗戦を喫した直後のエピソード。

 「あすはどうしよう、というのが正直なところだった」。ベンチから70~80メートル離れた選手ロッカーへ向かう間で「どうやって選手の気持ちを切り替えさせるか。田中で負けたことをどう払しょくするか」を考えながらミーティングに臨んだ。

 「おい、みんな、神様、仏様、田中様と言われるが、やっぱり田中も人間。でも、田中の連勝をみんなで支えてから今がある。ここまで来たんだ。俺はあす、どうなってもいい。7戦まできたのだから、俺はどうなってもいい。でも、ここまで戦ってきたのだからうれし涙を流させてくれよ。そのためにはあすの朝までに田中の負けは忘れよう」

 次の瞬間、全員から「ヨッシャー」の雄叫びが飛び交い、一丸となった。そして迎えた第7戦。前日160球を投げた田中が9回に登板、胴上げ投手となった。この起用法については大リーグ関係者などから批判的な意見も出たが、星野監督は「あれがあったから日本中が感動した。終わってみれば正解だったと思う」としみじみ振り返った。この日は、日本一を届けた地元東北へのメッセージも求められ、「チャンピオンフラッグをぼろぼろになるまで子供に触らせてあげたい」と話した。

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2013年12月4日のニュース