ソフトB・東浜 遅すぎたプロ1勝 テレビも「正直見られなかった」

[ 2013年9月24日 06:00 ]

<ロ・ソ>プロ初勝利を挙げた東浜は、夕日を浴びながらウイニングボールにかぶりつく

パ・リーグ ソフトバンク5-4ロッテ

(9月23日 QVC)
 入団当初の高い期待を考えれば、遅すぎた感もある。昨秋ドラフトで1位指名で3球団が競合したソフトバンク・東浜が、4月18日の楽天戦(Kスタ宮城)以来、約5カ月ぶりの先発でプロ初勝利を挙げた。

 「申し訳ないのと、やっと勝てたとの安心感。喜びはない」

 波乱の初回を乗り切った。荻野貴の左翼ポール際への大飛球がビデオ判定でファウル。今江からは「ロジンの付けすぎ」と球審を通してクレームを受けた。加えて最大風速7メートルの強風。それでも「ストライクゾーンで勝負しよう」とその風を生かし、ツーシームでボールを動かして打たせて取った。ブラゼル、井口に本塁打を浴びたが、6回を3安打3失点。直後の7回に亜大の先輩・松田が右前に決勝打を放ち、ついに勝利の女神がほほ笑んだ。

 4月の2試合はいずれも6失点。その後は2軍生活が続いた。巨人・菅野、ヤクルト・小川、楽天・則本ら同期入団が活躍。「正直、見られなかった」と福岡市内の寮でテレビのスイッチを切りかけたのは1、2度ではない。それでも東浜は「見ないと勉強にならないので…」とライバルたちの姿を目に焼き付けた。投球フォームも体の軸のぶれを抑えるためにノーワインドアップに変え、「3度目の正直」でようやく結果を出した。

 「ようやく1勝できた。けど、ここで終わりじゃないので」。遅れてきた大器はまだプロの第一歩を踏みだしただけだ。

 ▼東浜の父・忠さん(52) 仕事で観戦できなかったが結果を聞いて鳥肌が立ちました。(22日が忠さんの誕生日。ウイニングボールがプレゼントとなって)うれしいです。アマでやってきた実績はあるが、プロはプロ。いろんな経験を積んでほしい。

 ▼亜大・生田勉監督 留守番電話に「初勝利しました」と入っていて、うれしかった。先輩が頑張ってくれると、学生たちにとって良い励みになる。

 ▼ソフトバンク・今宮(3犠打で07年に日本ハム・田中がつくったシーズン58犠打のパ・リーグ記録に並ぶ)チーム打撃が自分の仕事。3つとも決められて良かった。

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