4番村田が虎退治V弾 渡辺会長上機嫌「オーダー天才的」

[ 2013年8月28日 06:00 ]

<巨・神>初回、村田が21号の先制2ランを放つ

セ・リーグ 巨人4-0阪神

(8月27日 東京D)
 振り抜いたバットを静かに、一塁ベンチ方向へ投げ捨てた。機先を制するのに十分なひと振り。初回に飛び出した先制の左越え21号2ランは、巨人4番の村田が放った。

 「阪神相手には先制点が大事。1打席目から集中して臨んだ結果が、いい結果になった。早く攻撃できてよかったと思います」。5ゲーム差で迎えた2位・阪神との直接対決。東京ドームで2戦連続完封勝利を許したスタンリッジの出ハナをくじいた。初回1死一塁から3番の阿部が左飛に倒れた直後の打席。村田はスタンリッジから3本目、阪神戦で6本目である。4番ではなく「4番目です」と言ったが、3試合目となった3番・阿部、4番・村田の並びが、3連勝を導いたのだ。

 原監督が繰り返す「途上のチーム」。13日のDeNA戦(東京ドーム)から10試合で3勝6敗1分けで停滞ムードの打開策が、新3、4番への組み替えだった。チームの新たな成長のためにか、と問われ「そうですね」とうなずいた。ポストシーズンを見据えれば、投手の右左で阿部、村田のダブル4番を有効活用することも可能。ラストスパートの中でチームの新たな強みが生まれた。

 上機嫌だったのが、観戦した渡辺恒雄球団会長だった。11年オフ、原監督の強い要望で横浜(現DeNA)から村田をFAで獲得した。「1人だけ反対者がいた。村田はいらないと。どうしても欲しいと言ったのが原だよ。原の目の方がはるかに上」と当時を回想。同年にコンプライアンス違反として自身を糾弾し、後に球団代表を解任した清武英利氏を念頭に話したものだった。さらに、打線組み替えでチームを再加速させた原監督を「最近のオーダーは天才的。選手の見方は監督として一流」と絶賛した。

 初戦を制し、6ゲーム差。28日に勝てば優勝マジック「24」、引き分けでも「25」が再点灯する。

 「非常に大きいと思います。このワンゲームを先勝できたのは大きい」と原監督。宿敵を直接叩いて、引導を渡す大きな1勝だった。

 ≪8月すでに39安打≫村田(巨)が決勝の先制2ラン。勝利打点は今季10度目となり、チームでは阿部、長野に並ぶ最多回数になった。スタンリッジ(神)からは4月17日にも2ホーマー。同投手の被本塁打はセ規定投球回到達投手で2番目に少ない7本だが、うち村田は3本とカモにしている。また、今月の安打はこの日の1本を加え合計39本。月間40本に乗せると、自身初で、巨人では09年8月のラミレス以来延べ9人目(2リーグ制以降)となるがどうか。なお、2位阪神を倒し、チームは28日にもマジックが再点灯する。勝てばM24、引き分けならM25が出る。

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2013年8月28日のニュース