夢は中島の「3」継承!浅村 逆転打&逆転弾 トップ87打点

[ 2013年8月28日 06:00 ]

<日・西>7回2死一塁、2ランを放つ浅村

パ・リーグ 西武4-3日本ハム

(8月27日 札幌D)
 先制されたら倍返し、逆転されても倍返し。全4打点を稼いだ西武・浅村は笑みすら浮かべなかった。4位の立場だからだ。

 「下から(対戦した日本ハムに)迫られている意識はあった。負けられない試合は続くんで。勝つことだけを考えていた」。4番の責任感が喜怒哀楽を消し去っていた。

 1点を追う5回2死満塁。甘く入ったシュートを鋭く中前へはじき返した。逆転の2点打。6回に逆転を許す。再び1点を追う7回2死一塁から左腕・石井が投じた高めのスライダーを捉えた。「投げた瞬間に浮いてきた。チャンスボールだと思った」。最短距離でバットを出し、思い切り引っ張った。左翼席中段への逆転24号2ラン。渡辺監督は「(4番への)マンマークの中、仕事をしてくれたね」と称えた。

 24日のソフトバンク戦(西武ドーム)の守備中、打球に跳びついて左腕を打撲した。「ちょっと(打撃に)影響はある」。以前にも左肩を痛めた。試合前には何度もトレーナーに左肩から左腕にマッサージを施してもらい、テーピングで固めていた。それでも、腕の力に頼らずに力強い打球が打てる。田辺打撃コーチは「腰の回転で打てるようになったから、(左)腕が痛くても、あの打球が打てた」と話した。

 夢がある。憧れの中島裕之(現アスレチックス3Aサクラメント)が背負った背番号「3」を継承することだ。2年前のオフに背番号6を打診されたが「目標はそこじゃない。3番をつけられるまで頑張る」と断ったほど、こだわっている。中島の逆方向へ打ち返す打撃フォームを学び、積み上げた87打点はリーグトップを継続中。来季は胸を張って「3」を継ぐことができそうだ。

 派手に喜ばない理由は、恥ずかしがり屋だからでもある。「(活躍は)たまたまです」。そう言って、はにかむ22歳。12球団で最も若い4番である。

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