安楽 締めた3K“初S” 巨人スカウトからもお墨付き

[ 2013年8月28日 06:00 ]

<関学大・高校日本代表>9回に登板し三者連続三振で締めた安楽

練習試合 高校日本代表3―1関西学院大

(8月27日 関学大)
 安楽魔神だ!第26回IBAF18Uワールドカップ(30日~9月8日、台湾・台中)に参加する高校日本代表が27日、兵庫県西宮市で関学大と練習試合を行い、3―1で逃げ切った。2点リードの9回からは済美(愛媛)の157キロ右腕・安楽智大投手(2年)が救援。振り逃げを含む3者連続三振と中飛で締め代表「初セーブ」を挙げた。相手は控えメンバー中心とはいえ、26日の関大戦から大学生相手に6者連続三振を奪い、守護神としての高い適性を示した。

 守護神に一番求められるのは点を与えないこと。安楽の最速は144キロ。それでも無安打無失点で試合を締めた。

 「抑えは重要な役割。先発も点を取られたらいけないが、抑えは1点も許されない状況で送り出される。きょうは制球を重視した」

 前日の関大戦は5―0の9回から登板。大量リードがあったため、最速153キロで見逃し三振を奪うなど全力投球し、3者連続三振で締めた。しかしこの日はわずか2点のリード。四死球で無駄な走者を出すことは命取りになる。だから、球速を抑えて制球を重視した。3番・中島をスライダーで空振り三振に仕留めたが、捕逸で振り逃げ。いきなり無死一塁となったが、「走者を警戒しながら腕を振った」と続く4番・福本は141キロ、5番・松原は137キロの直球で空振り三振。これで前日から6者連続三振だ。最後の打者は中飛に仕留めた。

 現時点で西谷浩一監督は安楽の起用法を明言していないが、視察に訪れた巨人・藤本茂喜スカウトは「このメンバーの中では一番(抑えに)適している。連投が利くのと、スピードボールがあるから」と評した。

 1メートル87、85キロと大柄な右腕は、横浜(現DeNA)とマリナーズで日米通算381セーブを記録した1メートル90、98キロの「大魔神」こと佐々木主浩氏をほうふつさせる。安楽は持ち球として直球、スライダー、カーブ、スプリットがあるが、スプリットは今春センバツ後に覚えた球種で、今夏の甲子園でもほとんど使わなかった。今夏の敗戦で落ちる球の必要性をあらためて実感しただけに、「佐々木さんはフォークが凄かった。自分にはフォークがないので覚えたい」。そばに最高の手本がいる。直球とフォークボールを武器に甲子園優勝投手になった前橋育英のエース高橋光と合宿中は同部屋で、連日、握りを学んでいるという。

 28日に決戦の地・台湾へ飛び立つ。「(抑えは)三振を取ることが一番。腕を振って結果的に三振が取れればいい」。連投慣れしている安楽なら抑えも任せられる。

 ▽1次ラウンドの順位決定方式と2次ラウンド A、B組とも総当たりで各国5試合を行い、上位3チームが2次ラウンドに進出する。勝敗数で並んだ場合は(1)当該チーム同士の直接対決(2)得失点率(3)チーム自責点(4)チーム打率(5)コイントスの順で順位が決定する。2次ラウンドは各組上位3チーム計6カ国で争われ、A、Bに分かれた1次ラウンドで対戦しなかった3カ国と総当たりで戦う。1次ラウンドで戦った国同士の対戦成績も加えた上位2チームが決勝に進出する。同3、4位で3位決定戦。同5、6位で5位決定戦が行われる。

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