藤浪 聖地13連勝!“因縁”ブランコに1発浴びるもK斬り

[ 2013年7月15日 06:00 ]

<神・D>6回1失点で6勝目の藤浪

セ・リーグ 阪神8-4DeNA

(7月14日 甲子園)
 絶対に逃げない。0―1の6回1死一、二塁。阪神・藤浪は打席に4番・ブランコを迎えた。

 2回には150キロの直球を右中間スタンドへ叩き込まれていた。しかし、初球から3球続けて内角に直球を投げ込む。4球目は外角のカットボールでファウル。2ボール2ストライクから5球目は、再び外角低めにワンバウンドのカットボールを投じ、空振り三振に斬った。

 直後の攻撃で打線が一挙7点を奪って逆転勝利。「変化球を低めに集めようと思った。うまく投げられてよかったです」。6回を5安打1失点で6勝目を挙げた藤浪はキーポイントとなった対決を冷静に振り返った。

 この対決には因縁があった。6月23日の前回対戦(横浜)で初回に自己最速155キロを右中間に本塁打され、3回の第2打席では左肘に死球を与えた。前々日の試合前練習終了後、藤浪は三塁側ベンチ裏へ足を運び、ブランコに直接謝罪した。

 「ロ シエント(すみません)」。ドミニカ共和国の公用語であるスペイン語で謝罪されたブランコは「気にするな。日本で39個目の死球だけど、それも僕の仕事」とニコリ。藤浪も「次からも思い切り投げさせてもらいます」と真っ向勝負での再戦を誓い合った。そして2回に直球を再び本塁打されながらも、3打席目に雪辱を果たした。

 そんな藤浪に試合開始を37分遅らせた雨も、プロ入り初のナイターも敵ではなかった。「(ナイターは)独特の雰囲気もあり、しっかり頑張ろうと思った」。ブランコの一発の直後の無死二、三塁を切り抜けると、3回以降は藤井彰が出すサインにも首を振り、変化球の割合を増やし、相手打線への対応を図った。

 春夏を連覇した大阪桐蔭時代からの聖地での連勝は13に伸びた。ドラフト制以降の高卒新人の球宴前の6勝は、楽天・田中以来5人目だ。前回7日の広島戦(マツダ)は前田健に投げ勝ち、球宴前に2連勝と再び勢いを取り戻した。チームを3カード連続の勝ち越しに導き、15日から首位攻防3連戦を行う巨人とのゲーム差を1・5に縮めた藤浪。「後半戦につながる投球はできていると思います」。甲子園の申し子は最高の形で前半戦最後の登板を締めくくった。

 ▼阪神・和田監督 2回にブランコの一発を浴びた後、なおも無死二、三塁をよくしのいだ。要所で空振りも取れていたし、彼らしいピッチングができた。(6勝は)よくここまで頑張ってくれていると思う。

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