今宮 人生初サヨナラ打 読みズバリ「初球は直球」

[ 2013年7月15日 06:00 ]

<ソ・オ>9回2死一、二塁、サヨナラ打を放った今宮(中)はナインから手荒い祝福を受ける

パ・リーグ ソフトバンク3-2オリックス

(7月14日 ヤフオクD)
 若き力で今季3度目のサヨナラだ。ソフトバンクの今宮健太内野手(22)が14日、オリックス戦の9回2死一、二塁から右前へサヨナラ打を放った。約2カ月ぶりに2番で起用され、野球人生初の劇打。15日に迎える22歳の誕生日を自らのバットで前祝いした。チームは連敗を3で止め、たった1日で最下位から脱出して4位タイに浮上した。球宴前は残り3戦。優勝候補の筆頭といわれた本命が、この1勝から巻き返しを目指す。

 大柄な男たちが集う歓喜の輪の中で、1メートル72の今宮の姿は瞬く間に見えなくなった。プロ入り初のサヨナラ打。チームの連敗も3で止めた伸び盛りの高卒4年目は、とびっきりの笑顔をみせた。

 「野球人生でもサヨナラは初めてだし、興奮しています」。勝利目前だった9回に追いつかれる嫌な展開。その裏の2死一、二塁だ。普段より指1本分ほどバットを短く持った。「(平野佳は)絶対的な抑え投手。(初球は)100%真っすぐでくる」と読んでいた。初球150キロ直球を捉え、右前にはじき返した。

 5月8日オリックス戦(京セラドーム)以来の2番起用だったが、期待されていたわけではない。本来2番の本多が、西を昨季から15打数無安打と苦手にしたことで巡った打順。それでも「2番にしてもらえた以上、それだけ活躍したい」と積極性に拍車がかかった。6回1死二塁、中前打で内川の同点打を呼び込んだのも初球だった。7回1死一、二塁で遊ゴロに倒れ、2死一、三塁に。すると、続く3番の内川に言われた。「中途半端にやって、走者を三塁に残すのだけは勘弁してくれよ。俺にプレッシャーがかかる」。今オフ、大分での自主トレで打撃指導してもらった師匠の叱咤(しった)。もちろん、冗談であり、気持ちが楽になったという。同じような場面の9回2死一、二塁で得点圏打率・243の男が仕事を果たした。

 09年夏の甲子園は明豊のエースとして、準々決勝の花巻東戦で菊池(現西武)と投げ合い、最速154キロを計時した。プロでは高校通算60本塁打の打撃センスと強肩を買われ、将来の正遊撃手と期待されたが、川崎(ブルージェイズ)がメジャー挑戦した12年の開幕は明石の控え。だが、他を圧倒する守備で存在感を示し、定位置をつかんだ。5回、三遊間の深い位置へのゴロをうまくさばいた。「いい守備をすると、さえていると感じる」と打撃につながった。

 1日で最下位を脱出した秋山監督は「(今宮は)一発で仕留めてくれた。粘り強く打っている」と称えた。15日に22歳の誕生日を迎える今宮。「前日に打ってしまったので(当日の)あしたも活躍したい」と照れくさそうに欲を見せていた。

 ▼ソフトバンク・五十嵐(9回に1失点。同点にされたが、その裏に勝ち越して4年ぶりの白星)同点で抑えれば、何とかなると思った。(白星を消した)帆足には申し訳なかった。

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2013年7月15日のニュース