球児「火の玉ストレート」解禁 メジャー初K

[ 2013年4月6日 06:00 ]

パイレーツ戦の8回に登板し、三者凡退に抑えたカブス・藤川

ナ・リーグ カブス3-2パイレーツ

(4月4日 プッツバーグ)
 カブスの藤川球児投手(32)が4日(日本時間5日)、移籍2度目の登板となったパイレーツ戦で、メジャー初ホールドをマークした。1―0の8回に登板。1回を3者凡退に抑え、最後に「火の玉ストレート」を初披露し、メジャー初三振も奪った。9回に登板した守護神カルロス・マーマル投手(30)は2失点と乱調。藤川がクローザーで起用されるのも時間の問題となってきた。

 捕手ナバロが中腰に構えた。あのボールだ。1―0の8回2死、藤川は1ボール2ストライクから高めに浮き上がる直球を投げ込んだ。代打ジョーンズのバットは空を斬り、昨季27本塁打のスラッガーは首をひねりながらベンチへ。メジャー2試合目、通算11球目で初めて披露した「火の玉ストレート」は鮮烈だった。

 「直球を投げるまで時間がかかった。いい打者から(空振りを)取れたと認識しているし、これから直球を大事に育てていかないと」。最大の武器を投じるための準備も周到だった。追い込むまでは「少しずつ厳しく」とフォークを3球続け、打者に低めを意識させた。前回登板の1日はカットボールとツーシームの2球でメジャー初セーブを挙げたが、阪神時代は直球とフォークを武器に通算220セーブ。右腕の2つの宝刀が米国でついにベールを脱いだ。

 9球で3者凡退に抑えた藤川とは対照的に、抑えのマーマルは2戦連続の乱調。3点リードの9回に2失点。何とか今季初セーブを挙げ、藤川に初ホールドが記録されたが、ヒヤヒヤの展開にブルペンで急きょ高橋が肩をつくるほどだった。試合後にはシカゴの地元記者からマーマルに「多くのファンが抑えをやってほしくないと思っているのに、監督は信頼し続けている。どう思う?」と辛らつな質問も飛んだ。

 デール・スウェイム監督は今後もマーマルを抑えに起用する方針ながら、藤川について「最後の三振は直球に力があり浮き上がっていた」と手放しで称えた。当の藤川はメジャー仕様の投球スタイルを追い求めていく。「少しずつ自分の投球を、試合を重ねてつくっていければ」。早期のクローザー襲名も現実味を帯びてきた。

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2013年4月6日のニュース