ダルに託した!一発勝負の6日WCオ軍戦先発へ「次です」

[ 2012年10月5日 06:00 ]

<アスレチックス・レンジャーズ>試合後、取材に答えるレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ5―12アスレチックス

(10月3日 オークランド)
 ダルに全てを託す!レンジャーズは3日(日本時間4日)、同率首位で並んでいたアスレチックスに5―12で敗れ、地区3連覇を逃した。一時は13ゲーム差をつけながら、優勝へあと1勝からの3連敗。地区シリーズ進出チームを決める5日(同6日午前9時37分開始)のワイルドカード(WC)ゲームに回り、オリオールズと対戦する。運命の一戦にはダルビッシュ有投手(26)が先発。今季から新設された負けたら終わりの一発勝負で、真価が問われる。

 歴史的な失速で地区3連覇を逃し、言葉を失うレンジャーズのベンチに右腕の姿はなかった。うなだれている暇はない。5日のWCゲームに中4日で先発するダルビッシュは真っすぐ前を見つめ、毅然(きぜん)と言った。

 「どんなことも可能性があるので、そんなに悲観しない。まだ試合があるし、次です」

 最終162試合目の同率決戦。3回までに5―1とリードしながら、先発デンプスターが4回に崩れた。さらに信じられないミスが重なる。5―5と追いつかれ、なお2死一、二塁。セスペデスの中堅への浅い飛球をハミルトンが落球し、2者の生還を許した。反撃する力はなかった。主砲ハミルトンは「デーゲームでボールは見にくい。集中力と注意力が足りなかった」と力なく話した。

 残り9試合で5ゲーム差をつけながら、地区優勝をさらわれたのは史上初。失意のチームをよみがえらせるには、ダルビッシュの快投しかない。ロン・ワシントン監督は「ユウは大舞台で投げるだけの投手になった。日本時代から経験もある。自信を持って送り出す。1試合でチームは変われる」と祈るように話し、5日の先発を正式に発表した。

 ダルビッシュは試合前にブルペンで39球の投球練習を行った。この時点で相手も日程も決まっていなかったが「あまり一つ一つに執着せずにやっているので、いつ登板が来ても大丈夫だった。準備ができていなければ投げない」と言った。チームが試合後に地元アーリントンに戻ると、相手はオリオールズに決定。ともに93勝69敗だが、今季の対戦成績(5勝2敗)で上回っているために、本拠地開催となった。

 オ軍とは初対決。日本ではポストシーズン通算8勝2敗と成績を残した右腕は自分を信じてマウンドに立つ。

 「気持ちを強く投げられている。どの試合も同じように大事だし、負けたら終わるから大事とか、そういう話ではない」

 WCゲームに勝てば、地区シリーズではヤンキースと激突する。世界一の投手になると誓い、戦いの場を米国に求めたダルビッシュ。1年目の戦いをここで終わらせるわけにはいかない。

 ▽ワイルドカード(WC)ゲーム 今季から新設された制度で、地区シリーズ進出を懸けた1試合のみの決定戦。ア、ナ両リーグで地区優勝した3チームを除くレギュラーシーズンの勝率上位2チームが対戦する。昨季までは地区優勝以外の勝率トップのチームがワイルドカードとして自動的に地区シリーズに進出していた。

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2012年10月5日のニュース