統一球導入で番狂わせ減少 上位、下位の2極化加速

[ 2012年10月5日 10:00 ]

3年ぶりのリーグ優勝を飾り胴上げされる巨人の原監督

 今季レギュラーシーズンもあとわずか。セ、パ両リーグとも優勝チームこそ替わったものの、CSに出場するチームは昨季と全く同じ顔ぶれとなった。統一球導入2年目の今季は上位、下位チームの2極化が際立つシーズンとなった。

 セは優勝の巨人に中日、ヤクルトが昨季に続きCS進出を決めた。パは前年最下位のロッテが前半戦首位を走ったものの失速。優勝の日本ハムと西武、ソフトバンクが進出した。両リーグとも2年連続でA、Bクラスが同じになったのは65~66年以来、セ、パ6球団となった58年以降では2度目の珍事だ。

 上位と下位の固定化傾向は特にセに強い。近年の順位を見ると一目瞭然だ。中日が11年連続、巨人が6年連続でAクラス入り。06年以降は巨人、中日の2チームだけで優勝を分け合っている。一方で、DeNAは7年連続、広島は15年連続でBクラスに甘んじている。

 今季セでは4日現在、Aクラスチームに勝ち越しているBクラスチームはない。番狂わせの減少は、統一球導入によるロースコア化とも関係がありそうだ。セ6球団の逆転勝利はここまで1チーム平均20・7試合。統一球導入前の10年の29・7試合と比べ約3分の2、昨季の24・3試合からも減っている。上位チームが先制し、そのまま逃げ切るアヤのない試合が目立つ。

 07年から始まったCS制度は、下位のチームでも終盤まで緊張感を持って戦えるようにとスタートしたはず。だが統一球導入がさらに、上位と下位の固定化に拍車をかけているようにも見える。

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2012年10月5日のニュース