斎藤バースデー復活!5勝目「最強の24歳になります」

[ 2012年6月7日 06:00 ]

<日・広>お立ち台でBBから贈られた誕生日ケーキを前にポーズをとる日本ハム・斎藤

交流戦 日本ハム2-1広島

(6月6日 札幌D)
 佑ちゃんがAKB総選挙に負けない熱投を見せた。日本ハムの斎藤佑樹投手(24)は6日、広島戦で約1カ月ぶりの勝利となる5勝目を挙げた。野球人生初のバースデー登板は、8回を88球で5安打1失点(自責0)。本来の制球がよみがえり、チームをロッテとともに両リーグ一番乗りの30勝に導いた。

 お立ち台では思わぬ祝福が待っていた。2万2582人からの「ハッピーバースデー」の大合唱。斎藤は照れ笑いを浮かべ、「すげー」とスタンドを見渡した。さらに、マスコットのB☆Bからは、エースナンバー「18」がデコレートされたケーキを渡された。

 「本当に素晴らしい日になりました。これからも勝っていって、最強の24歳になります!」。興奮気味に宣言した。

 高校、大学を通じて「記憶にない」というバースデー登板。3連敗という苦しい状況で、5月19日(マツダ)の対戦で敗れた東京六大学時代からのライバル、野村と再び投げ合った。初回2死から田中の失策を機に、ニックに適時二塁打を浴び先制点を許したが、2回以降はホームを踏ませなかった。「先にマウンドを降りたくなかった」。8回をわずか88球で1失点。「佑祐対決」で1学年下のルーキー右腕にリベンジを果たしたが「野村に勝ったわけではない」と口元を引き締めた。

 5月12日の西武戦(函館)で2回持たずプロ最多の9失点でKOされてから歯車は狂った。5月4日のオリックス戦(札幌ドーム)を最後に白星から遠ざかり、自身の貯金はなくなった。試行錯誤の1カ月。前回31日のヤクルト戦(神宮)後からブルペン投球では体のバランスを意識することに重点を置いた。その結果、高めに浮くことが目立っていた直球が低めに集まるようになった。

 「最初から飛ばした」と直球が普段より速い140キロ台を常時計測。左打者へのチェンジアップもさえた。制球が安定し、中盤の5回は7球、6回は9球で料理。プロ入り自身初となる三振0での勝利はある意味、斎藤の真骨頂ともいえる。

 気分転換のために5月25日の中日戦(札幌ドーム)で替えた試合用のグラブを、この日は再び違うものにした。やっと手にした1勝に「絶対に勝ちたかったのでホッとしています」と安どした。

 開幕投手を任されエースの階段を上る2年目。チームの柱として君臨する他チームのエースと比べ「自分は一番未知数だと思う。きょうみたいな投球をしていくことで負けない投手になっていく。ここからですね」。最強になるために、力強く24歳をスタートさせた。

 ▽斎藤VS野村VTR 斎藤は5回まで2安打無失点も、6回先頭の梵にソロ本塁打を被弾。これが決勝点となり、6回4安打1失点で敗戦投手となった。一方の野村は要所を締め、7回5安打無失点で3勝目を挙げ「学生の頃から憧れていた先輩だったので勝ててうれしい」と喜んだ。

 (12年5月19日 マツダ)
日本ハム
 000 000 000―0
 000 001 00X―1
広  島
 (日)●斎藤、谷元、乾、榊原―鶴岡
 (広)○野村、ミコライオ、サファテ―倉
 [本]梵(広)

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2012年6月7日のニュース