マイナーでは当たり前 松井Tシャツでキャンプイン

[ 2012年5月3日 06:00 ]

初練習でフリー打撃を行う松井秀喜

 ゴジラがTシャツ始動!?レイズとマイナー契約を結んだ松井秀喜外野手(37)が2日(日本時間3日未明)、ポートシャーロットの球団施設で練習を開始し、日米通算20年目のスタートを切った。エクステンデッド(延長)・キャンプへの参加で、松井はTシャツ、短パン姿でフリー打撃などで汗を流した。今後は今月中旬にも3Aダーラムに合流し、メジャー昇格を目指す。

 全体練習を終えた松井は心地良さそうに汗をぬぐった。例年より約2カ月も遅いキャンプイン。プロ20年目、メジャー10年目のスタートを切り、心は自然と弾んだ。

 「久しぶりだなという感じですけど、やっぱりいいですね。暑いのは好きですから、気持ちよくできたと思います」

 真新しいレイズの帽子をかぶり、グラウンドへ飛び出した。午前9時から始まった延長キャンプ。練習前にチーム全体で円陣を組むと、球団スタッフから「きょうから新しいチームメートが来た。ヒデキ・マツイだ!」と紹介され、右手を上げて応えた。日米報道陣約50人を驚かせたのは、メジャー4球団目のユニホーム姿ではない。グレーのTシャツと紺色の短パン姿だ。快晴だったこの日は気温21度で蒸し暑く、立っているだけで汗がにじむほど。マイナー選手にとっては当たり前の「練習着」で、立ち会ったレ軍のリック・ボーン広報部長も「ここでは練習ではいつもこの格好」と笑っていた。

 松井はキャッチボールを行うと、室内の打撃ケージで打ち込んでからフリー打撃に参加。34スイングで柵越えはなかったが、ミート中心で鋭い打球を飛ばした。「久しぶりだったのであまりうまく(タイミングを)合わせられなかったですけど、うまく調整していきたい」。見守ったレ軍のジャレド・サンドバーグ・マイナー統括コーチは「コンディションはいいように見えた」と話した。

 メジャー昇格は確約されていないが、今は与えられた場所で結果を残すことしか頭にない。そんな松井を「選手としても人間としても素晴らしい」と高く評価したのが、アンドルー・フリードマン編成担当取締役だ。サポート態勢を整えるため、マイナー契約では異例だが、松井の大リーグ人生を支えてきた広岡勲広報とロヘリオ・カーロン通訳を過去の球団同様、球団スタッフとして雇用することを決断。2人は松井がメジャー、マイナー所属にかかわらず同行してアシストする。

 松井は実戦について「チームが判断することなのでよく分からない」とかわした。だが、球団側は本人の意思を尊重する方針で、3日にも実戦に出る可能性はある。この日、松井の練習合流を聞きつけグラウンドには米国のファン4人や日本人カップルの姿もあった。姿、格好は関係ない。「あとはメジャーに上がってプレーするだけ」。汗を流すゴジラの目には力が宿っていた。

  ▽チーム松井 米国留学経験があり、スポーツ紙記者時代から松井との付き合いが深かった広岡氏は、03年の松井のヤンキース移籍とともに同職を辞し、ヤ軍広報に就任。インド人の父とフィリピン人の母の間に生まれ、高校まで日本で過ごしたカーロン氏は、不動産会社勤務などを経て同じく03年にヤ軍通訳に就任した。09年オフに松井がヤ軍を退団した後も、移籍先の球団で同じ役割を務めている。

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