マー君、意地の今季初勝利!斎藤に連勝も「余裕なかった」

[ 2012年4月14日 06:00 ]

<日・楽>8回無死、糸井を空振り三振に打ち取り雄叫びをあげる楽天・田中

パ・リーグ 楽天2-1日本ハム

(4月13日 札幌D)
 楽天・田中将大投手(23)が13日、日本ハム戦に先発し8回を7安打1失点。今季登板3試合目にして待望の初勝利を手にした。
【試合結果】

 昨年9月10日(Kスタ宮城)以来、プロ2度目となった斎藤佑樹投手(23)との直接対決。6回0/3を7安打2失点だった「永遠のライバル」に、昨季に続いて投げ勝った。ファンが今一番望む「名勝負」を制した田中。早ければ、28日の同戦(Kスタ宮城)で再戦の可能性があるが、今度も負けない。

 北海道で田中が今季初めて雄叫びを上げた。ライバルの斎藤はすでにマウンドを降りた。7回までは胸を張れる内容ではない。8回。先頭の糸井を151キロ直球で空振り三振に抑え「しゃあ!」と吠えた。最後はスレッジを内角直球で空振り三振。右拳を強く握った。

 「一つ早く勝てるようにとだけ考えていた。正直、(斎藤を意識する)余裕がなかった。自分のことでいっぱいいっぱいだった」

 06年夏の甲子園で決勝再試合を演じた斎藤とプロ2度目の対決。田中はプロ初対決となった昨年9月10日(Kスタ宮城)で斎藤に投げ勝った後「(2人の対決が)注目されるのは宿命だと思う」と語った。宿命ならば、負けるわけにはいかない。初回。先頭・田中に投じた初球の直球はいきなり152キロ。だが、気合が空回りしたことによる投げ急ぎでフォームが崩れ、いきなり失点した。

 それでも尻上がりに調子を上げ、8回1失点。7回途中で降板した斎藤に投げ勝った。2年目右腕になくて、昨季19勝の沢村賞右腕にあるのは修正能力とプランニング力だ。4回1死三塁で陽岱鋼(ヨウダイカン)を二飛に仕留めた152キロの直球は、この試合で初めてバランスのいいフォームで投じた。続く田中も直球で遊飛。ただ、同回までの球数は71に達した。フォームの不安が解消した右腕は、長い回を投げるために配球を変える。5回からの3イニングの36球で直球は半分以下の17球。しかも、星野監督が「後半から内角をうまく使いだした」と指摘したように、胸元への直球を見せ球にスプリットで打ち損じを誘発。そして、11球の直球で4球も150キロを超えた8回のラストスパートにつなげた。

 「(駒大苫小牧時代に)お世話になったこの土地は、思い入れがある。まだ高校を卒業して6年で、応援してくれる人もいる。いい投球ができてよかった」

 これで札幌ドームは通算4勝1敗、防御率1・48。札幌は開幕直前の3月20日に結婚したタレントのまい夫人の出身地でもある。09年に大阪でのテレビ番組の収録で出会った当初、2人は北海道の話題で盛り上がり、その後に交際に発展した。田中にとって高校時代を過ごした第二の故郷でもある北海道は、夫人と結びつけてくれた場所。抑えのラズナーから受け取った記念球は夫婦の宝物になるはずだ。

 「カードの頭を取ってチームも勢いに乗ってくれると思う」。余韻に浸ることはない。斎藤も「背負っている男」に違いはないが、日本のエースとして、家庭の大黒柱として、田中の背負っているものの大きさが違う。

 ≪札幌Dは4連勝で防御率1・48≫田中(楽)が今季3試合目で初勝利。開幕3戦未勝利なら新人だった07年(3連続勝敗つかず)に並ぶところだったが、自身ワーストタイは免れた。札幌ドームはこの日が通算6試合目で、成績を見ると4連勝で防御率1・48と相性抜群だ。これで、通算勝利は66勝目。楽天では岩隈(現マリナーズ)の65勝を抜く球団最多記録になった。

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2012年4月14日のニュース