沢村“制圧”の1安打完封!9回に最速タイ152キロ

[ 2012年4月14日 06:00 ]

<D・巨>完封勝利の巨人・沢村(左)はナインとハイタッチ

セ・リーグ 巨人6-0DeNA

(4月13日 横浜)
 巨人・沢村が沢村に並んだ。9回にも150キロ台の直球を連発。2死から荒波への3球目、108球目には初球と同じ、最速タイの152キロを計測した。「球威が衰えないで、ギアを1段上げられるようになった」。今季初勝利。1安打以下の完封を新人から2年連続でマークするのは、伝説の沢村栄治以来の快投だ。

 「中継ぎの方が最近ずっと投げていた。僕が完投することで、1日空くような感じになればうれしいと思っていた」

 4回までは直球で押しまくった。47球中40球と約85%。5回以降からは一転して、スライダーやフォークを織り交ぜ、8回まで54球のうち28球と約半分にとどめた。5回の先頭打者から、振り逃げを含むプロ野球タイ記録の1イニング4奪三振など、6者連続三振。阿部は「力んじゃうから、途中でフワッと(変化球を)入れた」。息ぴったりの中大出身バッテリー。安打は4回の中村の1本だけだった。

 今季のテーマに「試合を支配したい」と「制圧」を掲げる。新人王を獲得しながら、さらなる進化を目指しオフに肉体改造に着手。「今だけ良くても駄目。先も見てやってます」。同時期に結婚した元日本テレビアナウンサーの麻季夫人(31)のサポートも受け、1日最高9食の食事や筋力トレを敢行。さらに臨床医も参考にする約600ページの専門書「プロメテウス解剖学アトラス」にも手を伸ばした。「学生でも(読破に)2、3年かかるらしいですよ」。キャンプや遠征先にも持参。身体の機能を熟知し、投球動作につなげた。「きょうは上半身を使った。もっと下半身を使えば、さらに楽に投げられる」。自らの投球も「解剖」し、次への課題も忘れなかった。

 文字通り、2年目右腕が試合を、そして相手打線を制圧。原監督も「あんまり脈拍が上がらなかったですね」と独特の言い回しで快投を称えた。

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2012年4月14日のニュース