34年ぶり劇勝!涙のバル弾でオリックス3位だ

[ 2011年9月14日 06:00 ]

<オ・楽>延長10回、バルディリスはサヨナラ本塁打を放ちナインの手荒い祝福を受ける

パ・リーグ オリックス1-0楽天

(9月13日 ほっと神戸)
 両手に伝わる十分な手応えを感じた瞬間、バットを放り上げた。先頭打者として迎えた0―0の延長10回。4番手・青山のフォークを左翼席に運んだ。来日4年目にして初のサヨナラ弾。CSを争う楽天との直接対決第1ラウンドを制し、オリックスを3位に押し上げたバルディリスは、お立ち台で大粒の涙を流した。

 「けさ、祖母が亡くなったと連絡が入った。幼い頃は一緒に住んでいたし、僕を育ててくれた。日本に行くときも励ましてくれたし、いつも気にかけてくれていた」

 母国ベネズエラから悲報が届いたのは、午前2時。がんと闘っていたアイダ・ブランコさんが75歳で他界した。一睡もできずに、早朝に家族を空港へと送り届けると、自身は帰国せずに球場に向かった。「つらい。でもチームのためにプレーしないといけないと思った。CSに行きたい」。チームの連敗を3で止めた13号ソロは天国の祖母にささげる一発でもあった。

 悲しみをこらえて試合に臨んだのは岡田監督も同じだった。現役、監督時代からの付き合いになる阪神元オーナー・久万氏の死去。球団を通じて「選手として、コーチとして、監督として、どの立場にいるときもずっと温かく見守っていただいたと思います」とコメントした。試合後は「バルは(チームの)本塁打王やから。頼りになるよ」と話したが、思い出深い元総帥の訃報に指揮官の背中は少し悲しげだった。

 本塁打による1―0サヨナラ勝利は、阪急時代の77年5月1日クラウン戦(西宮)のマルカーノ以来34年ぶり。CSへしのぎを削る楽天には、1分けを挟んで6連勝となった。ドラマチックな1勝を弾みに、再び上昇気流に乗る。

 ▼オリックス・金子千(勝敗つかずも9回を5安打無失点)当然、大事な試合だというのは十分分かっていたこと。1点を取られたら負ける、というくらいの覚悟で投げました。

 ≪マルカーノ以来!≫0―0の延長10回にバルディリス(オ)がサヨナラ13号ソロ。オリックスの1―0サヨナラ勝ちは02年5月19日の日本ハム戦で9回に日高が右前打を放って以来9年ぶり。本塁打による1―0サヨナラとなると77年5月1日クラウン戦で延長10回にマルカーノが東尾から左越え本塁打して以来34年ぶりだ。

続きを表示

この記事のフォト

2011年9月14日のニュース