田沢、メジャー昇格!「45分の距離遠かった」

[ 2011年9月14日 06:00 ]

2年ぶりにメジャー昇格する田沢

 レッドソックス傘下3Aポータケット所属の田沢純一投手(25)が13日(日本時間14日)のブルージェイズ戦からメジャーに昇格することが12日(同13日)、分かった。昨年4月に右肘の腱移植手術(トミー・ジョン手術)を受け、長くつらいリハビリを乗り越えての2年ぶりのメジャー復帰となる。レ軍は9月に入り投壊状態で、目下5連敗中。逆転地区優勝とプレーオフに向け、田沢が救世主となる。

 やっとたどり着いた。約1年5カ月に及ぶリハビリを経て、田沢のメジャー昇格が決まった。所属する3Aポータケットは10日にプレーオフ敗退が決定。その後も練習を続けてきた右腕に、12日午後に球団から連絡が入った。田沢はすぐに練習先のポータケットからボストンへ移動。9月1日からメジャーのベンチ枠は25人から40人に拡大しており、13日のブルージェイズ戦で登録される。

 「ようやくです。ポータケットからボストンまでは車で45分ほどの距離なのに本当に遠かった」

 田沢は08年ドラフトの目玉と注目されながら、レ軍と3年契約。1年目の09年8月にメジャー初昇格を果たすと、いきなり2勝を挙げた。しかし、その後右肘痛を訴え、昨年4月6日に腱移植手術を受けた。最初は可動域を広げるリハビリで、縫合箇所から出血。「泣きそうなくらい痛かった」と話したこともある。「良かったり悪かったり。でも絶対に良くなると信じている」。今年4月に実戦復帰し、1A、2A、3Aと一歩ずつ階段を上がり、メジャーの舞台に戻ってきた。

 チームは現在、首位ヤンキースに4ゲーム差の2位。ワイルドカード争いではトップに立つものの、9月は2勝9敗で、投手陣は1試合平均6・6失点と崩壊状態だ。3Aでは中継ぎで防御率2・51の田沢に懸かる期待は大きい。球速も93マイル(約150キロ)前後と全盛時に戻り、活躍次第では、ポストシーズンでの登録の道も残されている。

 「シーズンも残り少ない。アピールするだけ」。レ軍から新たな契約を勝ち取るためにも、1試合も無駄にはしない。

 ≪ポストシーズン出場も可能≫ポストシーズンの出場には、8月31日時点でベンチ入り25人枠に入っていることが原則だが、例外もある。60日間の故障者リスト(DL)入り選手との入れ替えだ。現在レ軍は、松坂、バックホルツ、ヒル、ジェンクスの4投手が60日間のDL入り。仮に地区シリーズで松坂を出場25人枠に登録した上で、田沢との入れ替えはできる。過去には02年に世界一となったエンゼルスが同様の措置で、9月に昇格したロドリゲスをプレーオフに出場させ、同投手は中継ぎで計5勝を挙げた。

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2011年9月14日のニュース