今季初お立ち台だ!“不惑”前田智、代打でV撃

[ 2011年6月25日 06:00 ]

<広・中>前田智は、ファンとハイタッチ

セ・リーグ 広島4―1中日

(6月24日 マツダ)
 不惑の天才が勝負を決めた。1―1で迎えた8回1死一、二塁。広島の代打・前田智が右中間に決勝の2点適時二塁打を放ち、チームにおよそ1カ月ぶりの連勝を運んだ。

 仕事を果たした背番号1は顔色を変えず、歓喜に沸くベンチへと戻って行った。「チーム状態が悪いときに自分が打っていれば勝てたという試合が2、3回あった。自分が何とか役に立ちたいというのがありましたから」。決勝打の喜びよりも、安ど感が上回った。

 「ああいう場面で使うのは前田と決めている」と野村監督。絶大な信頼に応えられない日々だった。安打は5月20日オリックス戦(京セラドーム)以降、7打席なし。この間、5打席連続三振を喫するなど“らしくない”姿を続けていた。

 「役に立ってないのにベンチにいても邪魔になるだけ」。本来の姿を取り戻すため、ノックを重点的に受けて体のキレを取り戻すことに力点を置いた。08年から代打中心。自らについて「3年前に終わってますよ」と自虐的に笑いながらも「終わっている中でも何とかしたいな、ということです」と言う。14日に40歳の誕生日を迎えたベテラン。今季初のお立ち台。「(年齢は)関係ない。広島に来て22年、ありがとうございます」と頭を下げ、スタンドは再び大きな歓声に包まれた。両アキレス腱痛などの爆弾を抱えていても、その心は折れない。

 ▼広島・バリントン(8回1失点でチームトップの6勝目)いいところ、悪いところがあったが、要所でいいボールを投げることができた。

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2011年6月25日のニュース