オーダー組み替えズバリ！新１番・浅村サヨナラ弾

＜西・楽＞９回２死一、二塁　浅村は、左越えサヨナラ３ランを放ち生還しガッツポーズ

パ・リーグ 西武７―４楽天

（6月24日 県大宮）
　プロ初のサヨナラ本塁打だった。同点に追いついた直後の９回２死一、二塁で６打席目が回ってきた。高々と上がった打球が左翼席に突き刺さる。西武の浅村は右手でガッツポーズをしながら、仲間が待つ本塁に飛び込んだ。手洗い祝福。笑顔で歓喜の輪から逃げた。

　「何も考えず自分らしくいこうと思っていた。打った瞬間は上がり過ぎかなと思っていました。入ってくれて良かった」

　リーグ戦再開初戦。渡辺監督は、得点力アップに大幅にオーダーを変更した。これまでの４８試合は全て１番片岡、２番栗山だった。その中で片岡を２番に下げ、浅村を１番に抜てきした。指揮官は「思い切りもいいし、出塁率も良かった。ああいう若者が斬り込み役をやってくれることに期待していた」と説明した。

　プロでは初めてでも、大阪桐蔭時代に慣れ親しんだ１番打者。優勝した０８年夏の甲子園では打率・５５２をマークした。試合前、指揮官からは「１番でも初球からどんどん振っていいぞ」と声を掛けられた。「高校の時に打っていたので、やりにくい場所ではないですね。結果が出て感謝しています」と３安打３打点で見事に期待に応えた。

　高校の１学年先輩の日本ハム・中田の存在は、励みになっている。「高校の時に一番速いなと感じた投手は、紅白戦で対戦した中田さんです」と言うほど、投手としても甲子園を沸かせた先輩に憧れてもいた。リーグ戦再開のこの日はそろって勝利に貢献した。

　チームは今季初のサヨナラ勝ちで、最高のリスタートを切った。渡辺監督は「この勝ちはチームにとって大きい」と興奮気味だった。