なぜ…松井稼頭央の復活に「鏡」役のコーチ

[ 2011年4月20日 07:20 ]

<ソ・楽>10回1死二塁、左中間に適時二塁打を放つ松井稼(投手・馬原)
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パ・リーグ 楽天2―1ソフトバンク

(4月19日 ヤフードーム)
 楽天は、1―1で迎えた延長10回1死二塁から松井稼頭央内野手(35)が決勝の左中間二塁打を放ち、球団史上初となる開幕から3カード連続で初戦を勝った。

 開幕から7試合連続安打を放ち、打率・357。昨季は打撃不振で5月にアストロズを解雇された。輝きを失いつつあった中、8年ぶりの日本球界復帰、そして楽天でのプレーを選択した。

 打棒復活の陰にはメジャーにはない日本の指導法があった。松井稼は言う。「メジャーにいる選手に対して、コーチはあまり技術指導をしない。(僕の場合)通訳も介さないといけないし…」。だから不振に陥った時に迷ってしまう。日本では好調時の打撃フォームを熟知したコーチが的確なアドバイスを送ってくれる。「日本だといろんなことを聞けるからね」。楽天では田淵ヘッド兼打撃コーチや礒部打撃コーチらに「鏡」になってもらい、好調を維持できている。

 「連続安打は気にしない。チームが勝つこと。それが最高です」。獲得してくれた楽天への、そしてコーチ陣への感謝の一打だった。本拠地を置く仙台が東日本大震災で被災し、松井稼は8日に津波の被害を受けた宮城県名取市を慰問。下増田小学校の前をバスで通った際、子供たちが手を振る光景を見て山崎らとバスを降りた。予定になかった訪問で子供たちを喜ばせたが「逆に励ましてもらった」という。口癖は「勝ったら次。また勝ったら次です」。決して後ろは振り向かない。前向きな姿勢こそが勝負強さの源である。

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