ダル、さすがエース！不調でも柔軟投法で初勝利

＜オ・日＞寒い中、力投を続けるダルビッシュ

パ・リーグ 日本ハム８―２オリックス

（4月19日 ほっと神戸）
　調子が悪くても抑える術（すべ）をいくつも持っている。だからダルビッシュは絶対エースと呼ばれるのだ。８回４安打１失点で今季初勝利。試合開始時に気温１０度まで冷え込み、吐く息が白い雨上がりのほっと神戸で、臨機応変な投球を披露した。

　「凄く寒くて、体が動かなくて苦労したけど、力みすぎず低めに集めることができた。コンディションが良くなかったので、相手の反応を見て、まんべんなく（球種を）散らしていきました」

　寒さから珍しく長袖のアンダーシャツで臨み、最速は１４８キロ止まり。紅白戦を含めた今季の実戦で初めて１５０キロ台を計測しなかった直球は全１１９球中、３９球にとどめ変化球主体の投球。２点リードした直後の３回２死一、三塁ではＴ―岡田をチェンジアップで空振り三振に仕留めた。１２日の西武との開幕戦（札幌ドーム）は全１１９球中、直球は半分以上の６４球。シーズン前に体重を最大１０２キロまで増やし、直球の威力が増したことで力勝負を挑んで自己ワースト７失点。同じてつは踏まなかった。

　４回以降は無安打。配球の変化に加えて光ったのが洞察力だ。９０キロ台のスローカーブを多投し「打者の反応が良くなかったので。（スローカーブを）入れたことで直球に遅れていたし、振ってきていたから」と納得の表情。

　梨田監督も「集中力が欠けそうな状況の中で、しっかり投げてくれた」と評した。チームは今季初めて勝率５割。チームもエースも勢いに乗る大きな１勝だ。