里崎また救った!2戦連続の土俵際9回に同点打

[ 2010年10月11日 06:00 ]

<西・ロ>9回無死、ロッテ・里崎は左越えにソロを放つ

 【ロッテ5―4西武】この男が、ことごとく勝負の風向きを変えた。1点を追う9回、先頭のロッテ・里崎が初球のスライダーをとらえると、打球は左翼席へと飛び込む同点ソロとなった。前日の第1戦は9回に中前2点同点打。2戦連続の大仕事に「やばいね。吹いているかどうか分からないけど吹いているとしかいいようがない」とおどけた。

 2試合続けて先発出場は的場に譲ったが、その勝負強さは圧倒的だった。5回に代打で右前打。7回は1点差に迫る中前適時打。8回の守りは2死二塁から、栗山の左前打で本塁突入した二塁走者の佐藤を体を張ってブロック。決定的な追加点を許さなかった。「左手首がメッチャ痛かった。バットを振れるかなと思ったけど逆にその分、力が抜けてコンパクトに振れた」という直後の打席で劇砲。延長11回の無死一塁では初球にバントを決めて、井口の決勝打のおぜん立てをした。
 パ・リーグ最多となるプレーオフ、CS通算6本塁打目。今回のファーストS2試合は計4打数4安打4打点の大当たり。西村監督は「下(2軍)に行って歯がゆい思いをしただろうけどしっかりやってくれた結果が出た」と最敬礼した。
 ヒーローインタビューでは目を潤ませ、何度も声を詰まらせた。「この2カ月間、長かったもん。頑張ってよかった」。今季は4度も背中を痛めた。レギュラーシーズン最後の出場は8月5日の楽天戦(Kスタ宮城)。ティー打撃やマシン打撃だけで実戦なしのぶっつけ復帰も連日の大活躍。1打席ごとに増す声援への感謝と安ど。普段は陽気な男もこみ上げるものを抑えられなかった。
 FA権を取得し、去就が注目されるが今は目の前の一戦に集中するだけだ。「福岡でも風を逃さないようにやっていきたい」。幕張のミスターポストシーズンの大暴れはまだ続く。

 ≪パ最多記録樹立≫里崎(ロ)が9回に同点本塁打を放ち、プレーオフ、CSでの通算本塁打を6本にした。前後期制時も含め、パではズレータ(ソ)セギノール(日、楽)スレッジ(日)の各5本を抜き最多記録となった。里崎の6本塁打のうち勝ち越し、逆転が各2本、同点1本と殊勲弾は5本。短期決戦で勝負強さを発揮している。なお、セCSの最多はウッズ(中)の8本。

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2010年10月11日のニュース