ヤンキース“V100%”発進!生え抜きヒューズ快投

[ 2010年10月11日 06:00 ]

<ヤンキース・ツインズ>ヤンキース先発のヒューズは、7回無失点の好投

 昨季王者のヤンキースが9日(日本時間10日)、本拠地で行われたツインズ戦に6―1で快勝。ポストシーズン初先発となった期待の右腕フィル・ヒューズ投手(24)が7回を無失点と好投し、3連勝のスイープ(同一カード全勝)でリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。ヤ軍が地区シリーズを3連勝で突破した98、99年、そして昨季はすべて世界一に輝いており、98~99年以来となるワールドシリーズ連覇へ好発進した。

【試合結果


 最終回を守護神リベラが締めると、勝利の歌、フランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」が球場に鳴り響いた。世界一になった昨季と同じ3連勝で第1関門突破。主将ジーターは「まだ先は長いが、うちは去年、得た自信がある」と誇らしげに語った。
 敵地で連勝し、本拠地に戻った第3戦。ヒーローはポストシーズン初先発のヒューズだ。150キロ台の直球に縦に大きく割れるスローカーブ、チェンジアップを駆使し3回まで完全。5回1死一、二塁のピンチではカダイアーを直球で空振り三振、次打者も一飛に仕留めた。「気持ちを落ち着け、ストライク先行を心掛けた。突破できてうれしい」と笑った。
 がっちりした体格と切れ味鋭い直球を投げ込む投球スタイルから、付いた愛称は「クレメンス2世」。04年にドラフト1巡目で入団すると、招待選手で参加した06年キャンプでは、フリー打撃でロドリゲスや松井(現エンゼルス)らを抑えこみ、ロドリゲスに「とんでもないヤツだ」と言わしめた。07年オフには大リーグ最強左腕サンタナ(現メッツ)獲得の交換要員に名前が挙がったが、将来を背負う逸材と見込んだキャッシュマンGMが放出を拒否。昨季はセットアッパーとして活躍すると、「自信がついた」と先発に再転向した今季は18勝を挙げた。サバシアら移籍組が多い投手陣の中で、生え抜きの若手として期待は大きい。
 チームはシーズン終盤の26試合で16敗を喫し、ワイルドカードでの進出。エースのサバシアに次ぐ先発陣が不安視されたが、第2戦ではペティットが復活し、ヒューズが続いた。過去地区シリーズを3連勝で突破した年は、3度すべて世界一。V率100%のデータも味方につけ、常勝軍団が連続頂点へと突き進む。

 ◆フィル・ヒューズ 1986年6月24日、カリフォルニア州生まれの24歳。04年ドラフト1巡目(全体23番目)でヤンキースに入団。07年にメジャーデビューを果たすと、昨季はセットアッパーに定着。51試合登板で8勝3敗3セーブ、防御率3・03。今季は先発に再転向し、18勝8敗、防御率4・19。1メートル96、109キロ。右投げ右打ち。

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2010年10月11日のニュース