太陽との“真っ向勝負”でつかんだ沖縄初の大旗

[ 2010年8月21日 16:15 ]

<興南・東海大相模>史上6校目の春夏連覇を果たし、ナインに胴上げされる興南の我喜屋監督

 【興南13―1東海大相模】沖縄には何とかなるという意味の「なんくるないさ」という言葉がある。沖縄特有のおおらかさを表している。我喜屋監督の就任当初は選手が朝食を取らなかったり、寝坊して練習に参加できなかったりがよくあった。

 我喜屋監督は「なんくるないさじゃ、何ともならない」と言い、寮の消灯時間を1分過ぎることも許さないほど厳格な指導をしてきた。主将としてチームをまとめる我如古は「私生活はどこのチームにも負けないから、大舞台になるほど平常心でできる」と言う。

 沖縄尚学を選抜大会で初優勝に導いた金城孝夫監督(現長崎日大監督)はかつて「春はメリットになる沖縄の気候が、夏は逆にデメリットになる」と話していた。沖縄の焼け付くような日差しの下では思うように練習効率が上がらないからだ。

 我喜屋監督は「暑いからといって逃げてもしょうがない。つらいものに慣れさせて財産にさせる」と真っ向から太陽に立ち向かった。その代わり長袖を着させて水分を失い過ぎないように気を配り、選手が限界に達する前にストップをかけた。

 昨夏は試合終盤、熱中症のような状態に陥ったことがあった島袋も「暑さ対策はしっかりしてきた」と不安はなかった。日常生活から身に付けた精神力と、夏を乗り切れるだけの練習が、興南を頂点に押し上げた。

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2010年8月21日のニュース