藤岡完封MVP!東洋大 日本一奪回!

[ 2010年6月14日 06:00 ]

<東海大・東洋大>東海大を完封し、優勝した東洋大先発・藤岡が笑顔で捕手の佐藤(25)らと抱き合う

 全日本大学野球選手権最終日は13日、神宮球場で決勝を行い、東洋大が東海大に5―0で完勝し、2年ぶり3度目の日本一に輝いた。先発の藤岡貴裕投手(3年)は5安打完封で今大会2勝目を挙げ、最高殊勲選手と最優秀投手の2冠を獲得。これで東都勢の優勝回数は23回となり、東京六大学の22回を抜き連盟別でトップに立った。東海大は前日の準決勝で17奪三振をマークした菅野智之投手(3年)が5回2/3を3失点と力尽き、9年ぶり4度目の優勝を逃した。

【試合結果


 ライバルに投げ勝った。155キロ右腕・菅野との投げ合いを制した藤岡は、歓喜の輪の中央で左腕を突き上げた。

 「同じ3年生に負けられないと思ってました。相手は強力打線でしたけど、内角を打てないイメージがあったので強気にいきました」

 初回。先頭打者に四球を出したが、マウンドでは平静を装った。「慌てるしぐさを見せると相手に伝わる。表情には出さない」。犠打で1死二塁とされたが後続を断って波に乗った。強力打線を相手に散発5安打。6回途中で降板した菅野を横目に完封勝利を演じた。

 中学時代は軟式野球部の一塁手だった。しかし桐生一で素質を見いだされ、投手に転向。「カーブをしっかり投げないと直球が生きてこない」という当時の福田監督の教えを生かし、最速146キロの速球に加え、この日も100キロ台のカーブをカウント球に使用。敵将の横井監督に「高めから落ちる変化球で的を絞れなくなった。さすが戦国東都を勝ち抜く投手」と言わしめた。6勝を挙げた今春のリーグ戦に続き、今大会でもMVPを獲得。投手歴6年ながら一躍、来秋のドラフト上位候補に躍り出た。

 これで東都勢の優勝回数は23度目となり、東京六大学を抜き全国の大学連盟のトップに立った。中大・沢村、立正大・南、亜大・東浜ら好投手がひしめく東都を制しただけに、高橋監督は「菅野?沢村を見てるからビックリしなかった。われわれは東都の代表」と胸を張った。昨秋はリーグ戦で5位に沈み「奪回」をテーマに臨んだ今季。東洋大は2年ぶりの日本一を奪い返したばかりか「実力の東都」をあらためて世に示した。

 ◆藤岡 貴裕(ふじおか・たかひろ)1989年(平元)7月17日、群馬県生まれの20歳。小2で野球を始め、中学まで野手。桐生一で投手に転向し、2年夏と3年春に甲子園に出場した。東洋大では1年春から登板。今季は3試合連続完封勝利を挙げるなどエースに成長した。リーグ戦通算21試合10勝4敗、防御率1・66。1メートル81、80キロ。左投げ左打ち。

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2010年6月14日のニュース