悔い残る直球勝負…頼みの岸でV夢散

[ 2010年6月14日 06:00 ]

<西・広>5回1死一塁、ヒューバーにソロを浴びる岸

 【西武2-4広島】西武の交流戦の逆転優勝には勝利が絶対条件だった。先発には岸を立てた。だが、頼みの右腕が浴びた一発で、望みは絶たれた。渡辺監督は「防げる失点だった」と話し、細川も「岸は調子は良かった。配球ミスです」と悔やんだ。

 1―2の5回1死一塁で、打席にはヒューバーを迎えた。1、2打席目にはカーブで体勢を崩し、簡単に打ち取っていた。そして第3打席でもカーブ2球で簡単に追い込んだ。ストライクゾーンに投じたカーブは、ヒューバーのバットに一度も当たっていなかったが、フルカウントからバッテリーが選択したのは内角直球。左中間に運ばれた岸は「中に入らないように投げたんですけど…。しようがないです」と肩を落とした。

 潮崎投手コーチは「いろいろな選択肢がある中でね。1、2打席目はカーブに合っていなかったからね」と歯切れは悪い。カーブに全くタイミングが合っていない打者に、なぜ直球で勝負にいったのか。伏線は、前日の試合にあった。

 細川は2盗塁を許していた。1死一塁のフルカウントでは、走者がスタートを切るランエンドヒットの確率は高い。そのため緩い球を嫌い、盗塁に備えやすい直球を選んでしまった。一塁走者は決して足が速いとは言えない嶋だったことを考えれば、余計に悔やまれた。反省を終え、一番最後に球場を出た細川は「勉強になったし、次につなげます」と言った。18日から再開するリーグ戦は79試合も残っている。悔いを残した1球は、今後の糧とするしかない。

 ≪大島初4番も…3連敗≫西武は、打線の組み替えも実らず3連敗で交流戦を終えた。今季初めて4番に座った大島は3打数無安打。「ジオの内側に食い込んでくるボール球を振ってしまった」と反省した。最終回に2点差としたが、反撃が遅すぎた。渡辺監督は「去年、一昨年から見れば交流戦で貯金を4つ作れたのはいいけど、終わり方が良くない。打つ方を立て直していかないと」と奮起を促した。

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2010年6月14日のニュース