由規 故郷でマー君に雪辱!燕4連勝で最下位脱出

[ 2010年6月14日 06:00 ]

<楽・ヤ>由規は、ヒーローインタビューを終えスタンドのファンに両手を振る

 【ヤクルト3-1楽天】故郷・仙台で受けるヒーローインタビュー。プロ3年目で故郷に錦を飾り、楽天・田中に雪辱したヤクルトの由規は「正直シーズンが始まる前からここで投げたくてウズウズしていた。田中さんはずっと前から追い求めていた人。その人に勝ったことは価値があるし、自信になります」と喜びを表現した。

 昨年5月20日の初対決では7回1失点の好投でも完封した田中に勝てなかった。リベンジマッチは3回まで完全。4回、先頭の聖沢に中前打されるまで、初回の1球目から39球連続で直球を続けた。本人でさえも「中学でも高校でもこんなに続けたことはない」と驚く規格外の投球だった。

 制球に悩み、勝てない日々。前回登板後に荒木投手コーチと相川と話し合い、2人から「真っすぐを磨いて勝負していかないと先は見えてこないぞ」と言われた。相川も「真っすぐに自信を持ってもらいたかったから打たれるまで真っすぐ一本でいった」と説明。7回2/3を1失点。128球中、直球は7割近い86球で、最速は155キロ。49球が150キロを超えた。

 速さに加えて切れも増した。テレビで見た広島・前田健の「ゼロから一気に100にする」という言葉がヒントになった。投球動作の始動から力を抜いて、リリースの瞬間に100%の力を出すことを意識。フォームの力みが消えて、常にリラックスした状態から威力のある球を投げ込んだ。疲労もたまらず、8回でも154キロを計測した。

 3月27日の巨人戦(東京ドーム)以来の2勝目で、チームは4連勝を飾り、ついに最下位を脱出。「この試合をいいきっかけにしたい。次は完投できるように頑張りたい」。最大の武器である直球を磨いていけば、プロ初完投の日は近い。

 ≪家族もスタンドで応援≫スタンドではヤクルト・由規の家族や親族ら約40人が応援に駆けつけ、凱旋勝利を見届けた。この日は由規の弟で仙台育英の貴規(3年)が岩手県で行われた東北大会の準決勝に出場し、4打数無安打も青森山田に勝って決勝進出。掛け持ちで試合観戦した父・均さん(49)は前日に自宅で一緒に食事をしたそうで「田中君との投げ合いを地元で見られてうれしいね。目指せ(日本最速の)158キロ!」と喜んでいた。

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2010年6月14日のニュース