原点に戻った雄星「悩むのも楽しい いい経験もできた」

[ 2010年5月6日 15:39 ]

 多くのファンや報道陣でにぎわったキャンプから2カ月。2軍で地道に練習を重ねる西武の注目ルーキー、雄星がようやく手応えをつかみ始めた。4日にKスタ宮城で行われたイースタン・リーグの楽天戦で、5回3安打無失点と好投。2軍ながら初勝利を手にした。

 それまでの実戦とは見違えるようだった。最速となる147キロを3度記録し、うち2度は課題としていたセットポジションでの投球。スライダーでカウントを稼ぎ、四球は一つだけ。「まだまだ力不足」と目指すところは遠いが、登板後は久しぶりに笑みがこぼれた。
 試合前、石井2軍投手コーチは雄星に「試合に入ったらフォームは関係ない」と伝えた。何事にも自分の頭でかみ砕いてから臨む18歳に対し、マウンドで悩む必要はないとあえて強調した。雄星も「高校の時もなんだかんだ言って、試合ではフォームを気にしていなかった」と原点に戻った。
 4月になって、走り込みの量が飛躍的に増えた。西武第二球場のポール間を、荒い息を吐きながら延々と走り続ける姿が目立った。土台ができたことも好投の要因のようだが「下半身をどう使おうとか何も気にせず、無心で投げていた」。
 かといって、普段の思慮深さはそのまま。「悩むのも楽しい。いい経験もできた」と言う。少なくとも、マウンド上では無心で投げる。みちのくでの好投は今後への転機となるかもしれない。

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2010年5月6日のニュース