打たれて覚える!雄星 直球勝負で腕試し 

[ 2010年1月23日 06:00 ]

キャッチボールする菊池雄星

 西武のドラフト1位左腕・雄星投手(18=花巻東)が22日、キャンプ中の実戦登板で真っ向勝負を誓った。打撃投手や紅白戦で登板する際、直球で押すスタイルで力試しをすることを明言した。埼玉県所沢市の西武第2球場で行われた新人合同自主トレーニングはノースロー調整。24日から始まる第4クールから捕手を座らせて本格投球を開始し、2月1日のキャンプインに備える。

 雄星は自らのスタイルを貫く。新人合同自主トレ第3クールが終了して「充実した4日間でした」と、体の仕上がりには手応えを感じている。その上で、主力組のA班スタートとなる宮崎・南郷キャンプでは、直球勝負で腕試しをする構えを見せた。

 「打たれるとは思いますけど、ある程度は真っすぐ中心でいきたい。打撃投手とか紅白戦では、どうすれば真っすぐが打たれないようになるかを考えていきたい」

 花巻東では、ほぼ直球とスライダーの2種類で勝負してきた。変化球に関しては「キャンプ初日に投げられるくらいの感じでいきたい」と2月1日のキャンプインからスライダーを解禁する予定だが、実戦では直球にこだわる。「ホームランバッターにはいかに内角に投げられるかだと思います。オープン戦で投げさせてもらえる機会があれば内角に投げていきたい。逃げる投球だけはしたくない」と対外試合では、直球で内角を攻めることも宣言した。

 そんなルーキーに、球団側もバックアップ態勢を敷く。キャンプ期間中、2月10日以前に審判団を招く場合は、その費用すべてが球団負担となる。それでも今キャンプでは初日から招くことを決めた。開幕が3月20日と例年に比べて早いこともあり、投手陣に配慮する意味合いもあるが、雄星にプロのストライクゾーンを叩き込ませる“英才教育”も一つの狙いだ。

 前日までブルペンで3連投。この日は軽めのキャッチボールにとどめたが、24日にも捕手を座らせての投球練習を行う。キャンプインまであと9日、開幕まではあと2カ月。「自分ができることをやって2軍に落ちたらそれが現状だと思う。今できることを一生懸命やるだけです」。雄星が、真っ向勝負でプロの壁に挑む。

 ≪直球は155キロを記録≫雄星の持ち球は直球以外にカーブ、スライダー、フォーク、シュートの5種類。花巻東では主に直球とスライダーの組み立てだったが、1試合に2、3球はフォークも投げていた。直球の球速は1年夏の甲子園ですでに145キロをマーク。プロのスピードガンでは3年春のセンバツで152キロ、夏は3回戦の東北戦で155キロを記録している。

 ≪おかわり君の打撃にびっくり!≫雄星が中村のフリー打撃に目を丸くした。室内練習場で縄跳びトレーニングなどを行っている際に、2年連続本塁打王の主砲のスイングを熱心に観察。「モノが違うし、雰囲気も違いました。真っすぐだけだと持っていかれると思います。同じチームで良かったです」と振り返った。入団会見では対戦したい打者に名前を挙げていただけに、キャンプ中の対戦を心待ちにしている様子だった。

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2010年1月23日のニュース