松坂進化の予感…“尻パワー”に目覚めた!

[ 2010年1月23日 06:00 ]

APIでトレーニングをする松坂

 レッドソックスの松坂大輔投手(29)が21日(日本時間22日)、自主トレ先の米アリゾナ州フェニックスの練習施設「アスリーツ・パフォーマンス・インスティテュート(API)」でスポニチ本紙の取材に応じ、完全復活への土台が完成しつつあることを明かした。特に強調したのが尻の使い方で、これまで潜在能力の半分しか生かせていなかったことに気付かされたという。来週中にも投げ込みを開始する予定。昨季の不調で“尻”に火がついた怪物が新たな感覚を手に入れた。

 新年の始動となった5日から体をいじめ抜いてきた松坂の目は、新たな発見に輝いていた。「僕は細かいトレーニングをしてきたつもりでしたが、使えてない部分がたくさんあったことがよく分かった。大きな収穫でした」。最も強調したのが尻。「いかに効率よく使うか。体の中で一番大きな筋肉はお尻ですが、その使い方ですね。今まではその半分も使えていたのか、どうか」。APIから与えられたメニューをこなす中で「尻の使い方」に目覚めたという。

 松坂が初めてオフの練習拠点としたAPIは、野球だけでなく、NFLやNBAなど多くのトップアスリートを指導している。トレーニングのコンセプトは体の支柱の強化で、構成する肩、体幹、尻の3つのパーツを強化することで理想的な肉体をつくり上げる。その中でも尻を包む大臀(だいでん)筋は、最大のエネルギーを生みだす個所だ。骨盤を支えている尻を強化すれば、体重移動がブレずに、投球時に踏み出す時にボールにうまく力を乗せられるわけだ。指導する阿部勝彦コーチは「流れの中で投げていたのを、投球動作の中にあえてお尻を押す感覚を持ち込む」と話す。結果として股関節も効率よく使えるという。

 昨季は開幕前に股関節周辺を故障し、投球時に踏み出す歩幅が従来の6足半から6足に狭められた。結果的に立ち投げとなり打ち込まれ、わずか4勝と屈辱の1年を味わった。「あとはいかに自分の投球動作に鍛えた体の動きと、バランス感覚を組み込んでいくか。これで歩幅が広がるかどうかは分からないが、使い方は変わってくると思う。ブルペンに入って実感できれば」。早ければ来週にも予定する投球練習で、新たな感覚を血とし、肉としていく。

 「今までと違う土台ができてきた感じはしますね」と進化の予感は十分。当地での練習はあと2、3週間続ける予定で、完全復活への土台は着々と完成に近づいている。

続きを表示

2010年1月23日のニュース