無欲の救援!武田久10回意地の3人斬り

[ 2009年10月7日 06:00 ]

<日・西>力投する武田久

 【日本ハム5―4西武】新守護神の活躍なくして、2年ぶりのリーグ優勝はなかった。3勝無敗34セーブ。1メートル68・5と小柄な武田久がシーズンを通してマウンドを守り抜いた。

 「以前の優勝とはポジションが違うので、充実感があった。最後?締めたかったんですけど…」
 笑顔が控えめだったのはご愛きょう。1点リードの9回に登板。胴上げ投手になるはずがまさかの同点を許した。しかし、続く10回は意地の3人斬りでバトンを渡してサヨナラ勝ちにつなげた。
 巨人に移籍したM・中村に代わって新守護神に指名された当初は「自信はなかった」。今季初登板の4月5日、楽天戦(札幌ドーム)も1点リードの9回から同点に追いつかれた。しかし、これで開き直った。「自分なりの抑えを考えた。力任せにならず持ち味を出す。もっと軽く腕を振ってみようと思った」。セットアッパーを務めていた昨季同様、制球に活路を求めた。さらに「マイナスのイメージを持ってマウンドに上がる」。登板前にあえてピンチを想定する独特の準備法も身に付けた。シーズンでは幾度ものピンチを切り抜け、初のセーブタイトルも確定させた。
 「数字には満足していますけど、まだ先がある。次は日本一を目指したい」と武田久。リーグトップのチーム防御率3・66を誇る投手陣を支えた無傷の守護神は、頂点に向かってさらにギアを上げていく。

 ≪パレードは日本一限定≫日本ハムの優勝パレードは「日本一」奪回時のみに行われる見通しだ。44年ぶりの日本一に輝いた06年は14万3000人、リーグ連覇を達成した07年も8万2000人のファンがススキノ沿道に詰めかけたが、球団側は今年については既に札幌市に対し「リーグ制覇で終わった場合は自粛する方向」と内々に通達。同市の上田市長も「球団や選手の考えを尊重したい」としている。その中、主将の稲葉は「07年は北京五輪予選があってパレードに出られなかった。今年こそは日本一になって参加できるように頑張りたい」と話した。

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2009年10月7日のニュース