セオリーよりデータ!チェンに左打者5人

[ 2009年8月26日 09:10 ]

 【巨人4―2中日】淡々と試合を振り返る原監督の表情がすべてを物語っていた。中日が大黒柱のチェンを立ててきた3連戦の初戦。延長戦でもぎ取った1勝はデータ重視の“布石”がしっかりと効いていた。

 「左打者?総合的に考えてスタメンを決めたということ。それぞれ役割を果たしてくれた」
 左のチェンに対し、左打者5人をスタメンで起用した。特に8番はスイッチヒッターの木村拓ではなく、古城。セオリーなら左腕には右打者だろう。しかし、今季のチェンの被打率は右打者・179に対して左打者・220。このデータが4回に的中する。2死一、二塁で古城が133キロスライダーを中前打。2回の好機にハーフスイングで空振り三振していた同じ球を「積極的に振っていった」。この一打が逆転への口火となった。
 結局、チェンから奪った9安打のうちラミレスの3安打以外の6本はすべて左打者だった。
 対する落合監督は「きょうはこういう日」のひと言だけだった。その言葉が指すのは5回だ。1試合平均四死球が1・4個のゴンザレスが5四死球。実はこの日のボールが指先に合わず、滑って制球を欠いた。そこにつけ込んで2点先制し、5回2死満塁。ここで今季最も早い回で起用した代打の切り札・立浪が、2―3から空振り三振に倒れて流れを失った。
 原監督が「試合の中でよくアジャストしてくれた」と言うようにゴンザレスは6回以降の3回を完全。中盤でも“勝負の回”と見抜いたオレ流の目は確かだったが、原監督は「それをこっちが上回ったということ」と分析し、ゲーム差は3・5にまで広がった。

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2009年8月26日のニュース