阪神痛い負け…同率終了なら「巨人優勝」

[ 2008年10月7日 06:00 ]

5回裏ヤクルト無死、川島慶の打球をフェンス際まで追った新井だったが捕球ならず

 【阪神1―3ヤクルト】もう4戦全勝しかない!阪神は6日、金本知憲外野手(40)の26号ソロによる1点のみでヤクルトに痛い敗戦。試合がなかった巨人に81勝56敗3分けの同率首位で並ばれた。残りはともに4試合だが、同率で終えた場合は直接対決で勝ち越している巨人が優勝となる。阪神は勝ち星で上回らなければならず、事実上の“2位”転落。7日の横浜戦に敗れると、巨人に優勝マジック3が点灯する。

 息が上がり、足がもつれだした。最終コーナーを曲がって最後の直線。阪神はもはや“コケる”寸前だ。得点は金本のソロアーチによる1点のみ。またも巨人に並ばれた。81勝56敗3分け。まったく同じ勝敗で残りは4試合。しかし実質的には首位の座から“陥落”した形となり、岡田監督も「同じことばかり言ってもしようがない」と相変わらずの打線の不振を嘆くしかなかった。
 「…」。金本は報道陣の問い掛けに、無言のまま静かに首を振るばかりだった。2点を追う4回1死、右翼に26号ソロ。通算1320打点となり、「打撃の神様」川上哲治(巨人)を抜いて歴代12位に躍り出た。主砲の4試合ぶりの一発。それでも重苦しいムードは変わらない。兄貴のアーチに、弟分・新井が続けなかった。初回1死一塁で三ゴロ併殺打。5回2死一、三塁では、石川のボール球のシンカーを振って3球三振に倒れた。「何もないよ…」。腰椎(つい)疲労骨折から復帰直後は打線をけん引したが、ここにきて11打席連続ノーヒットとなった。
 「(安打が)単発。ノーアウトからやないし、なかなかつなげられん」と岡田監督。8回まで毎回走者を出しながら、無死からの出塁は1度もなし。計5イニングが2死からでは、得点につながらないのも道理だった。
 残り4試合。リーグ制覇には不利な数字が並ぶ。仮に8日の巨人戦(東京ドーム)に勝利しても、巨人は残り3試合に勝てば84勝。阪神は今季の直接対決で10勝13敗と負け越しているため、優勝するには巨人を上回る85勝が必要になる。そのためには残り4戦全勝が条件。おまけに7日に敗れれば巨人にマジック3が点灯してしまう。まさに崖っ縁だ。
 究極のGTマッチレース。3回に左手に死球を受けて途中交代し、都内の病院で「左手親指の付け根あたりの打撲」と診断された赤星は「大丈夫。折れてない。(7日も試合に)出る」と決死の覚悟を口にした。勝つ。勝ち続ける。生き残る道はそれしかない。

 ▼データ 巨人は6日試合がなかったが、阪神がヤクルトに敗れたため、再び同率首位に浮上した。シーズン残り5試合以下で2チームが首位に並ぶのは94年9月28日のセで巨人と中日が並んで以来14年ぶり5度目。勝敗、引き分けがすべて一致するのは前記94年のセに次ぎ2度目となった。
 この日の結果、7日にも巨人にマジックが点灯する。巨人は試合がないが、阪神が横浜に●なら今季初の単独首位に立ちM3が点灯。最短Vは9日になる。一方、阪神にマジックが出るのは最短でもあす8日。条件は7日の横浜戦に○か△、8日の巨人戦に○ならM2が点灯し最短Vは10日。

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2008年10月7日のニュース