“シカゴの殺気”にレイズびびったか…

[ 2008年10月7日 06:00 ]

白タオルを振ってホワイトソックスを応援するシカゴのファンの前で2回表、先制の内野安打を放つ岩村

 【レイズ3―5ホワイトソックス】2連勝でリーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけていたレイズは5日(日本時間6日)、敵地シカゴ(米イリノイ州)でホワイトソックスに初黒星を喫した。完全アウェーの雰囲気の中で3連勝でのリーグ優勝決定シリーズ進出こそ逃したが、岩村明憲内野手(29)は先制の適時内野安打を含む2安打と絶好調をキープ。第4戦での突破へ強気の姿勢を貫いた。

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 総立ちの超満員4万142人の大歓声。打ち振られる白いタオル。レイズが初めて味わう“ポストシーズンの敵地”にのまれた。先発のガーザの5失点は、すべて四球から。自滅だった。自慢の機動力も封じられ、逆にホ軍に3盗塁を許した。
 「相手ファンの後押しをすごく感じた。中には浮足立っている選手も何人かいたと思う。でもこれを味わえないと、ここまで来た意味がない」
 レギュラーシーズンとは明らかに違う敵地の殺気。試合開始も雨で35分遅れた。その中で岩村だけはいつもの岩村だった。初回、先頭で中前打を放ち3試合連続安打。2回2死一、三塁では外角のチェンジアップにタイミングを外されながらも強引に一塁線へ転がして先制内野安打にした。「いいスパイスの効いた味のあるヒットだったかな。転がせば何とかなるかな、というのはあった」。両軍通じて唯一の3試合連続打点。3連勝での突破こそ逃したが、これでポストシーズンは打率・385、4打点。レギュラーシーズン同様に打線をけん引している。
 敵地名物の挑発的な応援にも、強気な姿勢は変わらない。「巨人(ファン)のオレンジ色のタオルを思い出しましたけど。日本人からしたら白旗を上げているようにしか見えない。あすはそういうふうにさせたいですね」
 レギュラーシーズンではレイズの機動力を封じるために敵地のグラウンドキーパーが大量に水をまくことが多かった。試合前にはマドン監督が入念にチェックするなどピリピリムード。これにも岩村は「ここはもともと柔らかいし、それもホームの有利さ。結局条件は一緒になるし、何でもない」と動じなかった。
 打席に入るたびに浴びた大ブーイングに「それだけ脅威に思ってくれればいいんじゃないですか。もっとしてほしいですね」と胸を張る。頼れる“モヒカン隊長”が次こそ敵地に白旗を振らせてみせる。

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2008年10月7日のニュース