福留 思い出のリハビリ地で斎藤討ち

[ 2008年6月7日 06:00 ]

<ドジャース・カブス>4-4同点の9回表1死一、二塁、斎藤は福留に決勝打となる右適時打を放たれ本塁ベースカバーへ、左は一塁へ走る福留

 【カブス5―4ドジャース】カブスの福留孝介外野手(31)が5日(日本時間6日)、ドジャース戦の9回に日本時代から相性がよかったド軍の守護神・斎藤から決勝の右前適時打を放った。2回にも敵地では初アーチとなる4号先制ソロを右中間スタンドへ運び、勝利に大きく貢献。昨夏、右ひじのリハビリ中に何度も足を運んだ思い出のドジャースタジアムで、背番号1が輝きを放った。

 4―4の9回1死一、二塁、マウンドには斎藤がいた。福留は「強気、強気で放れる投手。真っすぐしかない」と読んだが、その直球を2球連続空振り。2つボールを選び、2球ファウルで粘った。すべて力のこもった直球勝負。7球目、初めてきたスライダーを叩き、一、二塁間を切り裂いた。勝ち越しの右前打。執念でメジャー屈指のクローザーを打ち砕いた。
 「僕も気持ちで負けないようにと思って立っていた。あれが一番甘い球だった」。前回5月28日のメジャー初対決では1点を追う9回1死一、二塁から内野安打で満塁とし、後続の同点劇を呼び込んだ。日本時代の対戦打率・365の相性の良さを、ここでも発揮した。
 2回には前回対戦で3打数無安打に抑えられたビリンズリから先制の4号ソロを放った。ここまで打率・377のホームに対して、ビジターは打率・207と苦手にしていたが“内弁慶”のイメージを払しょくする一発だった。
 初めてプレーしたドジャースタジアムには「暖かいし、グラウンドの状態が凄くいい。プレーしやすい」と話した。実は昨年8月にロサンゼルスで右ひじ手術を受け、約2カ月のリハビリ期間中に何度も観戦に訪れた球場だった。野球ができないつらさやもどかしさを抱きながら、メジャーの雰囲気を肌で感じた。1人スタンドから眺めたフィールドで今度は自分が主役になった。
 「チームの勝ちにつながるなら、本塁打より最後のタイムリーの方に価値がある」と即答した福留にとって理想的な2安打2打点。1年前とは違う風景に映るドジャースタジアムの風を受け「気持ちいいですね」とつぶやいた。

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2008年6月7日のニュース