由規“真っシュー”でバット折った

[ 2008年2月19日 06:00 ]

由規(左)は、フリー打撃での登板を終え、荒木コーチに声をかけられ笑顔

 ヤクルトの高校生ドラフト1巡目右腕・由規(18=仙台育英)が18日、沖縄・浦添キャンプで2度目のフリー打撃に登板した。右打者の内角へ威力抜群の速球を披露。ストライクが入らなかった12日の初登板から格段の成長を見せ、開幕ローテーション入りを強烈にアピールした。また、ヤクルトキャンプを表敬訪問した日本ハム・梨田監督と高田監督が会談。3月5日の札幌ドームオープン戦で由規と中田の黄金ルーキー対決が正式決定した。

【古田引退記念パネル


 バットが折れた瞬間、鈍い音と田中の悲鳴が交錯した。「バキッ」。「ああ~っ」。由規の45球目。内角を狙った直球が威力を失わずシュート気味に内角へ食い込む。力ない三ゴロ。18歳右腕は納得顔を浮かべた。

 「(バットを折ると)気持ちいいですね。僕は荒れ球が持ち味だし、近いところ(内角)を見せると直球の威力が増す。シュート?体の開きが早いからだと思うけど、意識して投げられるようになればいい」

 12日のフリー打撃初登板は43球中21球がボール球。左打者2人に遠慮もあって外角一辺倒だった内容から一変。「リベンジじゃないけど、前回の反省を生かしてバランスを意識して投げた」。73球中、ボール球わずか21球。2本塁打を許したが、直球と分かっている打者を詰まらせる場面がほとんど。初の右打者との対戦で内角を大胆に攻め、球威を証明した。シュート回転の球は好ましくないとされるが、荒木投手コーチは「内角にきっちり威力あるボールを投げれば武器になる」と“真っシュー”を奨励。昨年ベストナインを獲得した田中も「ボールに力があるし、手元でグッと来る感じ」と驚嘆の声を上げた。

 由規はゆっくりとした始動から、最後は早いテンポで投げ込む“ターボ投法”も初披露。武内を「いきなりビュッとくるんで、タイミングがとりづらい」と困惑させた。

 見守った高田監督は「初めて力のあるボールがきていた」と評価。先発は石川、館山、新外国人リオスが確定。残る枠を高井、増渕、村中、松岡、新人の加藤ら若手を争わせる方針の指揮官は「由規が(先発に)入ってくれれば言うことない」と期待を寄せた。さらに、フリー打撃を視察した日本ハム・梨田監督との間で3月5、6日のオープン戦(札幌ドーム)で“由規VS中田”の黄金ルーキー対決も正式に決まった。

 「(中田と)高校時代に対戦したことがないので楽しみなのが正直な気持ち」と由規。怪物斬りで開幕ローテーション入りを強烈にアピールする。

続きを表示

2008年2月19日のニュース