スポーツクライミング 楢崎智亜 5年分の思い力に決勝進出「人気と知名度を上げたい」

[ 2021年8月4日 05:30 ]

東京五輪第12日 スポーツクライミング男子複合予選 ( 2021年8月3日    青海アーバンスポーツパーク )

男子複合予選 リードの楢崎智亜=青海アーバンスポーツパーク
Photo By 共同

 3種目で争う複合の男子予選が行われ、楢崎智亜(25=TEAM au)が2位で5日の決勝進出を決めた。

 3種目の順位をかけ算したポイントの少ない選手が上位となり、スピード、ボルダリングが2位、リードが14位で56点だった。「スピードとボルダリングはまあまあだったけど、リードの失敗でちょっとへこんだ」。暫定首位で迎えた最終種目のリードは中盤でまさかの落下。それでも2種目を終えた時点で上位8人までの予選突破は確定させていた。「(五輪を)5年待った。緊張した」と本音も吐露したが、得意のボルダリングではわずか2人しか完登していない第2課題をクリアするなど、底力を見せた。

 「もちろん金メダルを狙う。スピード2位、ボルダリングは1位を獲り、ほぼ優勝を決めてリードを迎えたい」と決勝のプランも披露した。左耳には羽根をかたどっているというピアスを「飛べるかなと思って」着用。「人気と知名度を上げたい」という目的のためにも、初代王者をつかみ取る。

 《原田予選落ち「情けない」》原田は18位で予選落ちした。スピード15位、ボルダリング12位、リードは17位で、3060点と振るわず、「悔しいというより情けない。何もできなかった」と声を沈めた。1月に痛めた左手薬指は現在も痛みを抱えており、18年に世界選手権を制したボルダリングでも第1課題しかクリアできず。万全ではない体の調子は心にも影響を及ぼし、「自分の体じゃないみたいだった。体が動かなかった」と五輪の魔物にのまれた。

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2021年8月4日のニュース