卓球女子団体、金王手 「みうみま」が圧巻3戦連続ストレート 新世代2人が悲願達成へ

[ 2021年8月4日 05:30 ]

東京五輪第12日 卓球 ( 2021年8月3日    東京体育館 )

女子団体準決勝、香港戦の第1試合を3ー0で勝利した石川(左)、平野組(AP)
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 日本女子が準決勝で香港に3―0で完勝し、銀メダル以上を確定させた。世界ランキング3位の伊藤美誠(20=スターツ)が相手エースの同15位・杜凱琴(とがいきん)(24)を圧倒。平野美宇(21=日本生命)は石川佳純(28=全農)と組むダブルスと、シングルスで勝利。2000年生まれの「みうみま」の活躍で決勝に進んだ。日本男子は準々決勝でスウェーデンに3―1で勝ち、銀メダルを獲得した前回リオ五輪に続く表彰台に王手をかけた。

 伊藤がエース対決で圧巻のパフォーマンスを見せた。香港の杜凱琴に並ばれて迎えた第3ゲーム。サーブミスで先制点を許しながら「気持ち的にいい状態で入れていた」と落ち着いていた。サーブで得点し、サーブで崩して強打を決め、最後はサーブレシーブを2連続で決めて終わらせた。11連続得点。戦意を喪失させ、次のゲームも押し切った。

 3戦目の平野は「伊藤選手が勝って回してくれるから思い切って行ける」と3―0で勝利。「みうみま」の活躍で、3戦連続のストレート勝ちを決めた。

 伊藤と平野は、仲良く強くなってきた。同じ00年生まれ。5歳からダブルスを組んだ。遠征はいつも同部屋。女性アイドル好きで内向的な平野と、買い物好きで社交的な伊藤の息は合った。中2の14年にはツアー最年少でドイツオープンのダブルスを制した。
 2人は競い合って強くなってきた。競争が激化したのは16年リオ五輪後。落選した平野は、同年秋に中国の最高峰リーグで武者修行した。超攻撃型に変貌を遂げ、国内外を席巻。世界から「ハリケーン」と恐れられた。

 伊藤は刺激を受けた。「中国勢に研究をされたくない」という理由でリーグ参戦を見送ったが、翌17年には中国下部リーグ「甲A」の遼寧省に加入。そこで一皮むけた。最終戦は、食あたりで38度の高熱とおう吐に苦しみながら「試合に出る」と強行。シーズン12戦無敗を成し遂げた。自信をつけた翌18年、平野に取って代わって世界を席巻。中国メディアから「大魔王」と恐れられた。
 抜きつ抜かれつで、みうみまは力を付けた。悲願の金へあと一つ。伊藤が力を込める。「感謝と楽しむ気持ちを持って、思い切ってぶち当たりたい」。新世代の2人が新時代到来を告げる。

 ≪佳純 決勝「楽しむ」≫3戦連続ストレート勝ちのため、香港戦も石川にシングルスの出番は回ってこなかった。馬場監督によると、個人シングルス不出場の平野に試合機会を多く与えるため、オーダーを固定してきたという。ダブルスで貢献してきた主将の石川は、あす5日の決勝へ「自分を信じること。仲間を信じること。決勝を楽しむこと。最高のプレーをしたい」とまとめた。

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2021年8月4日のニュース