【砂村光信 視点】情報戦制したNZ 相手の性格も把握

[ 2018年10月28日 10:30 ]

ラグビー・キヤノンブレディスロー杯   ニュージーランド37―20オーストラリア ( 2018年10月27日    日産スタジアム )

試合前、ハカを踊るニュージーランド・フィフティーン
Photo By スポニチ

 トライにはならなかったが、オーストラリアは試合開始直後にディフェンスの薄いタッチ際のサイドを攻めてチャンスをつくった。今季だけでも2度対戦したニュージーランドの弱点を選手たちが把握しており、自然と実行したように見えた。

 現在のラグビーは情報戦だ。さまざまな情報を選手とコーチがいかに理解して体現できるかの勝負で、来年のW杯もそんな大会になると思わせた。後半、オーストラリアの選手が相手の顔をはたいてシンビンとなったが、「規律」が課題とされる選手に対し、ニュージーランドの選手はわざと目の前に立って挑発した。選手の性格も重要な情報。怒らせて反則を誘うターゲットを絞っているのだ。

 世界トップクラスの両チームに共通していた特徴は、トライを防ぐ最後のディフェンスの場面で必ずHB団が顔を出していたこと。試合を読む危機管理能力が高い上に、走るコースも研究している。ニュージーランドは次週に日本と対戦するが、メンバーが代わってもHB団がどう動くかに注目するのも面白いだろう。 (元U―23日本代表監督)

続きを表示

2018年10月28日のニュース