【岡崎真の目】宇野 一番簡単なジャンプでの思わぬ油断

[ 2018年10月28日 08:40 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦 スケートカナダ第1日 ( 2018年10月26日    カナダ・ラバル )

男子SPで着氷が乱れ、転倒する宇野
Photo By 共同

 宇野の連続ジャンプは最初の4回転トーループで回転を止める動作が遅れ、体が行き過ぎた状態から次の3回転トーループを跳ばなくてはならなくなってしまった。勢い余ってセカンドジャンプも行き過ぎて、着氷準備が取れなかった。トリプルアクセルは踏み切り損ね十分な高さを出せず、軸も傾いた状態で回りきるのが精いっぱいなように見えた。本人も反省していた通り、プログラムの中で一番簡単なジャンプだったので、少し油断があったのかもしれない。

 昨年までの採点ならそれでももう少し演技点が出ていてもおかしくないが、今季から「重大なエラーが複数ある場合には高い演技点を付けるべきではない」ということがきちんと明文化された。きれいで確実なものを見たいというのが今の国際スケート連盟の方針で、質のいいものに対する評価はより高くなり、ミスにはより厳しくなった。今回はその影響が強く出たような感じだ。

 もっとも、演技自体は悪くない。どこまで攻めてどこを守るのか、フリーではその辺りをしっかりと確認してほしい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2018年10月28日のニュース