セブンズで世界に衝撃再び!日本男子リオ切符!団体球技一番乗り

[ 2015年11月9日 05:30 ]

リオ五輪切符獲得!香港を下して優勝し、瀬川HCを胴上げする日本代表選手たち

7人制ラグビー リオデジャネイロ五輪アジア予選香港大会決勝 日本24―10香港

(11月8日 香港スタジアム)
 リオ決めた!男子日本代表は決勝で香港を24―10で破って大会を制し、初めて実施される来年のリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得した。日本勢の男子団体球技では五輪切符一番乗り。大会6試合中5試合を完封で制するなどアジアを圧倒し、15人制のW杯から空前のラグビーブームに沸く日本に吉報を届けた。

 地元香港の敗戦で意気消沈するスタジアムの真ん中で、12人の歓喜の雄叫びがこだました。リオデジャネイロ五輪出場権獲得。胴上げで3度、香港の夜空に舞った瀬川智広ヘッドコーチは、緊張から解き放たれたかのような笑顔で「ホッとしているのが一番。1回きり(の予選)で選手にも普段とは違う緊張感があった」と話した。

 準決勝までは5試合連続完封勝利も、決勝はアウェーの雰囲気にのまれてワイドにパスを回す持ち味のアタックが影を潜め、前半を0―10で折り返した。しかしハーフタイムに桑水流(くわずる)主将が「10分間、ほぼディフェンスで2トライだったので、ポジティブに捉えた」と気持ちの切り替えを図ると、後半は後藤輝、レメキのトライと坂井のゴールで一気に逆転。最後の5分間は疲れた相手を尻目に走り回り、残り3分を切ったところで合谷とトゥキリのパス&ランで勝利を決定付けるトライ。合谷は「最後は走り勝てた」と目を潤ませた。

 瀬川HCが「普段はスポットが当たらない」と言う通り、「ラグビー=15人制」との認識が強い日本。ファンの注目度はもちろん、強化費用や選手の所属チームからの協力態勢など、どれを取っても15人制代表のそれに比べて見劣りした。しかし、五輪予選を控えた今年は6月1日から101日間の候補の拘束期間を確保。代表候補24人を選び、メンバーを固定して集中強化を行った。

 これまでは大会直前の合宿のみで、練習は連係の確認などに終始していたが、今年はセブンズに必要なフィットネスや持久力をつけるトレーニングも行った。ニュージーランドやフィジーなど、世界の強豪国では協会が選手と契約を結び、一つのクラブチームのように強化する体制が主流。それに近い体制での強化で五輪切符獲得につながり、指揮官も「セブンズに特化した準備ができた。毎回合宿で積み上げることができた」と話した。

 メンバーの手で自らも胴上げされた桑水流主将も「メンバーが固定されて信頼が生まれ、劣勢でも自信があった」と勝因に挙げた。リオ五輪での目標はメダル獲得。今度はこの男たちが、地球の裏側で世界のラグビー界に衝撃を与える。

 ≪7人制ラグビーのルール≫フィールドのサイズは15人制と同じで、1チームは12人で編成され、一度に出場できるのはFW3人、バックス4人。試合時間は2分間のハーフタイムを挟み前後半7分ハーフで行われるが、大会の決勝のみ10分ハーフで行うことが多い。1日に数試合をこなすのが通例。ルールは15人制とほぼ同じだが、スクラムが3対3、試合再開はトライを取ったチームのキックオフからなど、異なる点も存在する。

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