アン・ソンジュ最速7億円突破!ツアー20勝も30歳まで現役続行

[ 2015年11月9日 05:30 ]

感無量の表情で拳を握るアン・ソンジュ

女子ゴルフツアー 2015TOTOジャパンクラシック~伊勢志摩~最終日

(11月8日 三重県志摩市 近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 首位と2打差の3位から出たアン・ソンジュ(28=韓国)が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算16アンダーで並んだ3人のプレーオフに突入。1ホール目でバーディーを奪って2人を退け、今季2勝目、通算20勝目をビッグトーナメントで飾った。なお、この大会で日本人がトップ10に入れなかったのは22年ぶりで通算11アンダーの12位に並んだ穴井詩(27=ゴルフ5)、鈴木愛(21=Salesforce)、西山ゆかり(33=フリー)が日本勢最高だった。

 最終18番パー4でのプレーオフ1ホール目。アン・ソンジュは残り165ヤードの第2打を6Iで1・5メートルのチャンスにつけた。イ・ボミら韓国選手がグリーン周りで見守る中、慎重に放ったウイニングパットはスライスラインを描きカップへ消えた。勝者を称える万雷の拍手の中、キャディーで夫のキム・ソンホさん(29)と抱き合うと続いてイ・ボミとハグ。アン・ソンジュの目には涙が浮かんでいた。

 「ボミが“お姉さん良かったね”と言ってくれたのでうれしくて涙が出た。今週は日本ツアーの代表として米ツアーの選手に負けない気持ちでやっていた。こんな大きな試合で勝ててビックリ」

 首痛を抱える今季は、欠場を余儀なくされることも度々で「寒くなると首が気持ち悪くなる」ため、寒い賢島対策としてアイアンのシャフトを硬いスチールから軟らかいカーボンに一新。「クラブが振れるようになったのでショットが良くなった」と15番は残り165ヤードを6Iでピン右手前1・5メートルに刺し、首位を捉えるバーディーを奪った。

 実は、この大会で成績を残さなければならない理由があったという。1カ月ほど前から2匹のチワワを飼い始めたが、母・ソンジャさん(55)は「世話できるの」と猛反対。大会終了後に電話で、母と仲直りしようと決めていたそうで「実は2匹も飼っていることは伝えてないんですよね。でも、優勝したから許してくれるかな」とペロリと舌を出した。

 この優勝で史上最速(147試合)での生涯獲得賞金7億円突破を達成。ボギーなしでの優勝は記録が残る90年以降6例目で、28歳69日での通算20勝到達は5番目の年少記録だ。かつては20勝で現役引退と宣言していたが夫や父ビョンギョンさん(56)の「もっとやって」との声を受けて30歳までは現役続行を決めた。「来年は海外メジャーにも行ってみたいし、30歳までは現役で頑張ります。でも、新婚生活という実感もないから夫婦の暮らしもしたい」。家事もゴルフも手は抜かない。最強の新妻は大忙しなのだ。

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