日馬富士 先輩の意地見せ2敗キープ!鶴竜 優勝の可能性消滅

[ 2014年5月24日 05:30 ]

懸賞を手にドヤ顔の日馬富士

大相撲夏場所13日目

(5月23日 東京・両国国技館)
 7度目の優勝を狙う横綱・日馬富士が先輩の面目を保った。新横綱・鶴竜を相手に貫禄を見せつけ、寄り切って2敗をキープ。大関・琴奨菊を下して単独首位の横綱・白鵬を1差で追走し、自力優勝に望みをつないだ。鶴竜は4敗目となり優勝の可能性がなくなった。
【13日目取組結果】

 満員札止めの両国国技館で先輩横綱の貫禄を見せた。日馬富士は新横綱の鶴竜に立ち合い頭で当たって素早く左へ。上手を取って頭をつけ、右の前まわしも引く自信たっぷりの形。ひと呼吸おいて一気に寄り切った。動きの硬い新横綱に洗礼を浴びせ、逆転での優勝にも弾みをつけた。

 「前まわしが取れればね。余計なこと考えずに集中して、しっかり相撲がとれた」。自力優勝の可能性を残すのは白鵬と平幕・勢と日馬富士だけ。勢は白鵬との直接対決の見込みは低く、実質的には逆転での自力優勝の可能性があるのは日馬富士だけだ。

 過去6度の賜杯は全て終盤まで無敗を続けて手に入れたもの。今場所は6日目までに2敗を喫した。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は、「いつもは序盤で負けたら、ばたばたとなる」と振り返る。だが、この日は「立ち合いもよくなってきた。横綱が3人になると気合も入る。綱の責任感が出てきた」と心身の成長を認めた。これを伝え聞いた日馬富士は「あまり褒められたことがないから、怒られた方がいい。そういう意味では“M”かもね」と口も滑らかだ。

 場所前は白鵬、新横綱、ホープの遠藤の影に隠れて注目されなかったが調子は良かった。その証拠に、白鵬が伊勢ケ浜部屋に出稽古した8日、異例の横綱同士の三番稽古が実現。日馬富士は10勝8敗と勝ち越している。

 楽日決戦への期待が高まる中、日馬富士は「まずはあす(14日目)に集中。楽しみな相手。お客さんが喜ぶ相撲を」と、きょうの稀勢の里戦に全力をぶつける構えだ。優勝した昨年の九州場所も13日目を終えて白鵬を1差で追っていた。日馬富士はもちろん再現を狙っている。

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2014年5月24日のニュース