「新伝統校対決」に破れ…初めて早慶明そろって4強逃す

[ 2011年12月26日 06:00 ]

ラグビー全国大学選手権 早大26-28関東学院大

(12月25日 秩父宮)
 史上初めて早慶明がいない準決勝となった。2回戦を行い、早大は関東学院大に前半で15点のリードを許し、後半13分に同点としたものの同28分に勝ち越しトライを許して26―28で敗れた。明大は筑波大に9―11、慶大は天理大に15―32で敗退。早大、明大は2季ぶり、慶大は2季連続で4強を逃したが、早慶明の伝統校がそろって敗退するのは、48回目の大学選手権史上初めてとなった。

 秩父宮のメーンスタンドに通じる階段の下で、早大部員のすすり泣きが響いた。「優勝させてあげられなかった。本当にごめん…」。こらえていた涙が、謝罪した山下主将の目からもこぼれた。帝京大に敗れた09年度以来2年ぶりに正月前に早大が姿を消した。

 夏合宿でロスタイムに逆転勝ちした関東学院大をなめてはいなかった。「早大相手だと闘志を燃やす」とFB井口が警戒していた通り、01年から6年間も覇権を争ったライバルに、関東リーグ戦3位とは思えない闘志で押し込まれた。

 夏合宿で苦戦したモールに対する防御は「プレッシャーをかけられた」と山下主将は振り返ったが、関東学院大からは対早大用に「06年と同じ」広く深いライン攻撃を仕掛けられて、前半に15点のリードを許した。

 辻監督が「思ったより(ライン防御で)詰め切れなかった」と話した一方、攻撃はハイパントやキックパスを多用した。SO小倉を中心にキックがうまい選手を生かす今季の特徴だが、相手FB高は「パントしてくれてよかった」と話したように、逆に伝統の展開が生きなかった。

 「(前半に)3トライ取られてちょっと…。本当に悔しい」。一戦一戦を口癖にしてきた山下主将だけに油断はなかった。1万3362人が集まった秩父宮にはため息が充満したが、大学日本一6度の関東学院大と2回戦で実現した「新伝統校対決」に見応えがあったのが、大学ラグビーの新しい伝統なのかもしれない。

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2011年12月26日のニュース