伊藤みどりさん絶賛!魂が揺さぶられる“青春フィギュアスケート小説”

[ 2011年12月26日 06:25 ]

碧野圭著「銀盤のトレース age15 転機」

 浅田真央、村上佳菜子らの活躍で日本中の注目を集めたフィギュアスケートの全日本選手権。各選手のレベルの高いジャンプは会場のファンを興奮させ、フィギュアにそれほど詳しくない、テレビの前で見ている人でさえも華麗で力強い演技に魅了されててしまうほどだった。

 フィギュアスケートを「美しく踊る芸術」から「高難度のジャンプを成功させるスポーツ」へと変えたのが、1992年アルベールビル冬季五輪女子の銀メダリスト、伊藤みどりさん。その伊藤さんが絶賛する“青春フィギュアスケート小説”が今月文庫本で発売された。

 「銀盤のトレース age15 転機」(碧野圭著、実業之日本社文庫、600円)は、フィギュアスケートに情熱を傾ける中学3年生、竹中朱里の日々を描いたもの。試合中での骨折、リハビリ、強豪新学校へ入るための受験勉強、ライバルとの競争、そして朱里が一番克服しなければならない恐怖心との格闘…。15歳の揺れ動く気持ちを丹念に描いた碧野のフィギュアへの熱い想いが行間からあふれ出てくる、魂が揺さぶられる一冊だ。

 朱里の「スケートが好き」というシンプルで、一番大切な気持ちこそが大切とする伊藤さんは、「もっと練習しよう。練習して、誰よりも長く、トリプルを跳び続けよう。それが私の、スケートを好き、という気持ちの表れだから」という朱里の言葉に共感。挑戦し続ける朱里の姿に応援を惜しまない。

 伊藤さんは6月にフィギュアスケートの元選手らで競う国際アダルト選手権に出場。36~46歳の元選手による「マスターズ・エリート」の部でダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を成功させ、2位になった。大好きで誰よりも長くスケートをしていたい。朱里のように、40歳を過ぎてもそう願っている伊藤さんがそこにはいた。

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2011年12月26日のニュース