真央、逆転V 天国の母へ最高のXマスプレゼント

[ 2011年12月26日 06:00 ]

フィギュアスケート全日本選手権、女子フリーでフィニッシュを決める浅田真央

フィギュアスケート全日本選手権最終日 女子フリー

(12月25日 大阪・なみはやドーム)
 天国へ優勝を届けた。世界選手権(来年3月、フランス)代表選考会を兼ねて行われ、女子フリーで浅田真央(21=中京大)は2位の118・67点をマーク。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回避したものの合計184・07点とし、SP2位から逆転して2年ぶり5度目の優勝を飾った。9日に肝硬変のため亡くなった、最愛の母・匡子(きょうこ)さん(享年48)に魂の演技をささげた。

 万感の思いでフィニッシュを決めた浅田が一瞬、母を失った一人の女性に戻った。天を見上げて演技を締めくくると、思いをはせるように瞳を閉じた。フリー「愛の夢」の旋律と大観衆のスタンディングオベーションが最愛の母へのレクイエム。「自分も凄くうれしいですし、母も喜んでくれていると思う」。匡子さんにささげる逆転優勝。涙はない。リンクには、強くなった浅田がいた。

 演技直前の6分間練習ではトリプルアクセルに着氷したが、本番では回避。3回転サルコーとループが2回転になるミスはあったものの、優しいメロディーに乗ったステップでは柔らかい笑みも浮かんだ。「笑顔を忘れないで、のびやかに滑りたいと思っていた」。9日にカナダ・ケベックから緊急帰国し匡子さんの葬儀が営まれた12日までは氷に乗らなかった。今大会に向けて急ピッチで調整したため筋肉痛が残っていたが、「集中して、信じてやった」と4分間に気持ちを込めた。

 ◆浅田 真央(あさだ・まお)1990年(平2)9月25日、愛知県出身の21歳。トリプルアクセルを武器に15歳だった05年にGPファイナル優勝。初出場だった10年バンクーバー冬季五輪で銀メダル。世界選手権は08年に初制覇し、10年に日本人初となる2度目の優勝。2連覇を狙った11年世界選手権は6位。今季は11月のロシア杯で3季ぶりのGP優勝。中京大所属。1メートル63、50キロ。

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2011年12月26日のニュース