ソフトB・甲斐 V奪回へ新キャノン 「まだまだ力を」メジャー流右膝着けでスローイングをスムーズに

[ 2024年1月14日 06:00 ]

キャッチング練習するソフトバンク・甲斐(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの甲斐拓也捕手(31)が13日、大分市で自主トレを公開した。臨時のキャッチングコーディネーターとして昨秋の宮崎キャンプにも参加した緑川大陸(ひろむ)氏からフレーミングなどのキャチング技術を吸収。スローイングに移行しやすい右膝をグラウンドに着ける構え方も学んだ。「進化型キャノン」でチームの4年ぶり優勝に貢献すると意気込んだ。 

 5球団計7人の捕手が集まった大分自主トレ。甲斐らは右膝を地面に着ける構えで、緑川氏からフレーミングなどのキャッチングの技術を学んだ。大リーグでも増えている右膝着きの構えが、さらに進化するための大事な要素だ。

 「左膝を着いて構えてるキャッチャーは多くいると思うけど、こっち(右膝着き)をやってる人は少ない。僕も今まで“何なんだろう”と思っていたけれど、緑川さんから聞いてメリットが凄くあった」

 右膝を着ける構えの利点は、ステップしやすく、スローイングにスムーズに移行できることにある。持ち前の強肩とコントロールに俊敏性が加われば鬼に金棒だ。「スローイングにつなげることができる。“何で膝を着いているんだ?”と思う方はいっぱいいると思うけど」。固定概念にとらわれず、貪欲にスキル向上に取り組んでいる。

 「捕手・甲斐」にとって昨季は悔いばかりが残った。守備率・995、盗塁阻止率・329はいずれもリーグ3位。17~22年に6年連続で受賞していたゴールデングラブ(GG)賞も逃した。「頑張らないといけないのは間違いない。でも、そこ(GG賞)よりやっぱりチームが勝たないと。最終的についてくれば」。4年ぶりのリーグ制覇の先に、GG賞奪回を思い描いている。

 心の支えになっているのは尊敬する大先輩の教え。背番号19を受け継いだ故・野村克也氏にもらった色紙に記された「野球に学び、野球を楽しむ」の言葉の意味を考えた。「責任のあるポジションだとは思うけど、全てを背負いこんで、考え過ぎていた部分があった。野球を楽しめる自分でありたいと今年は思っている」。ハードな自主トレの合間にも笑みが絶えなかった。

 捕手としての技術を磨き、野村氏の教えで心を整える。V奪還に欠かせない男は「個人としてまだまだ力をつけられるので高みを目指したい」と新しいシーズンへ向けて表情を引き締めた。(森 寛一)

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