早川“今永の道” 5回完全7K MLB挑戦左腕と同じプロ初国際舞台で躍動 3連勝で1位通過導いた

[ 2023年11月19日 05:00 ]

アジアプロ野球チャンピオンシップ2023第3戦   日本10―0豪州 ( 2023年11月18日    東京D )

<オーストラリア・日本>日本先発・早川(撮影・尾崎 有希)
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 2017年の第1回大会に続く連覇を狙う侍ジャパンは18日、予選リーグ最終戦のオーストラリア戦に10―0で大勝し、3戦全勝で1位通過を決めた。先発した早川隆久投手(25)は7三振を奪い、5回を完全投球。プロ入り後では初めての国際大会で、来年以降の代表入りへ猛アピールに成功した。19日の決勝の相手は、韓国に決定。前日は勝利した宿命のライバルを、返り討ちにする。

 初の国際試合で、早川がまばゆい輝きを放った。7奪三振で5回をパーフェクト。圧巻の63球で、3連勝による1位突破と国際大会20連勝に貢献した。

 「めちゃくちゃ緊張した。これから先、このユニホームに袖を通せるよう頑張りたい」

 入団3年目以内の選手が中心の大会とはいえ、狭き門の先発に抜てきされた。外国人打者は横の変化にはついてくるが、奥行きを使った縦の変化は空振りしやすい。早川は「シーズン中ではやらないような配球をした。引き出しが一つ増えた」と振り返った。

 象徴的だったのが2回先頭の4番A・ホールとの対戦。3月のWBCで中日・高橋宏から本塁打した強打者に、3球連続で外角にチェンジアップを投じ空振り三振に斬った。2回は同球種で2三振。3回は3者三振と完全にペースをつかんだ。

 目指すべき道のりがある。ポスティングシステムによるメジャー移籍を容認されたDeNA・今永は、17年の同大会が初の国際舞台。デビュー戦となった台湾戦で12三振を奪い、代表常連へのきっかけをつかんだ。2人は力強い直球とチェンジアップが持ち味の左腕という点で共通する。

 「先発よりもクローザーに近い気持ち」と意識改革もした。井端監督はメンバー選考で、力を出し切れていない選手の殻を破らせる狙いもあった。木更津総合、早大で日本代表に選出されたが、プロ3年間で計20勝。「押すところを押して、抜くところは抜いた。来シーズンにつなげていければ」と見据える。

 「この勢いのまま優勝できれば」。守備時はほぼ無音という国際大会ならではの異様な雰囲気の中で左腕が覚醒した。(神田 佑)

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