辻発彦氏 打席の中での気持ちが見えなかった巨人・坂本の状態が気がかり

[ 2023年4月2日 18:45 ]

セ・リーグ   巨人3―2中日 ( 2023年4月2日    東京D )

<巨・中>7回、坂本(右)はバントを決める (撮影・西川祐介)
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 【辻発彦 視点】巨人がなんとか接戦をものにしたが、坂本の状態が気がかりだ。2回の空振り三振、5回の二ゴロ併殺、8回の右飛は、いずれも外角球で凡退している。タイミングが合っていないし、フルスイングできていない。これだけ外角を攻められているのだから、もう少し踏み込むとか、ちょっと打席の中での気持ちが見えなかった。

 その坂本が、同点の7回無死一、二塁では投前に犠打を決め、好機を広げた。これは反対に中日バッテリーに、あまりにも工夫がなさ過ぎた。試合も佳境に入り、絶対に1点もやれない大事な局面だ。主力の坂本とはいえ、この打席を迎えるまで開幕から9打数無安打。これまでもバントをしていないわけではないし、当然警戒しなくてはいけない場面だったが、勝野│木下のバッテリーは初球に遅いスライダーを選択。簡単にバントを決められてしまった。「なんとしても失敗させる」という気持ちもなく、様子見でボール球を投げるなどの工夫もなかったのが悔やまれる。 巨人は開幕戦でオープン戦好調だったオコエを1番に起用したが、2戦目から起用された梶谷が2試合ともに2出塁。監督は勝っているときには、あまり打順を変えたくないもの。1番梶谷でいった方が落ち着きそうだ。ここ2試合投げられなかった大勢も帰ってきて、3人でピシャリ。やはり守護神がいるのといないのでは安心感が違う。

 まだ開幕して3試合。両チームともに、いきなり完璧な試合を求めるのは難しい部分もあるが、巨人は開幕カードに勝ち越したことで、前向きに4日からのDeNA戦(横浜)を迎えることができるだろう。(スポニチ本紙評論家)

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