福島敦彦氏 山梨県勢初優勝 勢力図が変わることは新たな刺激となり、高校野球の発展につながる

[ 2023年4月2日 07:15 ]

第95回選抜高校野球大会決勝   報徳学園3ー7山梨学院 ( 2023年4月1日    甲子園 )

<山梨学院・報徳学園>5回、山梨学院・佐仲が2ランを放つ(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 【福島敦彦の迫球甲子園】終盤まで勝負がもつれるとみていたが、山梨学院のエース林君の投球は、想像を超えるものだった。球速自体はそれほどないが、決して間違わない制球力の良さ。3失点も、許した6安打全て単打が示していた。球数が少ないとはいえ、全6試合に先発しほぼ一人で投げ抜いた疲労は相当なもの。精神的な強さも素晴らしかった。

 攻撃陣は7安打中、6安打を5回に集中し7得点。好調だった4番高橋君が無安打に終わる中でもビッグイニングをつくったように下位まで侮れない打者がそろっていた。

 報徳学園は逆転された直後の6回の攻撃がポイントだった。3番堀君から中軸3人全員がフライアウト。強く低い打球で活路を開いてきたが“自分で何とかしよう”と思う気持ちが先行し、打席で無駄な力が入った。6~9回の4イニングはフライアウトが8個。各打者が本来の打撃に徹しきれなかったのは残念で、夏への課題だろう。

 昨年の滋賀県勢(近江が準優勝)に続き、山梨県勢が春夏通じて初の決勝進出を果たし、優勝。勢力図が変わることは新たな刺激となり、高校野球の発展につながるはずだ。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

続きを表示

2023年4月2日のニュース